難民の増加問題
「難民が増えましたの?」
難民問題が解決してからしばらく。王妃殿下からまた呼び出されて、孤島の貴族学園から外出許可を得て王妃殿下に謁見しにきた。
「そうだ。難民申請をして移住してくれば普通に生活できると聞いた、国の内戦による被害者達…うちにいる難民達とそう変わらない境遇の者達がこの国を目指して移動しているらしい」
「なるほど…でもプロスペール領の空き地と耕作放棄地はもう…」
私は頭を必死になって捻りますわ。
「いや、国王陛下の意向で他の貴族も空き家と耕作放棄地がセットで領内にあるなら提供することになった。実際、上手くいけば領内の食料自給率も上がるし損はないから不満の声も聞こえない。不法移民ではなく他国の難民支援者の手を借りて手続きを済ませた難民だから、そこの領民達との対立もそこまで深刻なものは起きないだろう。そこまではいいんだが…」
「…それでも足りないんですのね?」
「難民申請の数を考えると、足りない可能性が高い。難民達を選別しなければならないかもしれない。余裕のあるものには、家や土地は用意してやれないな。不満を持つ者が現れるかもしれない」
私はしばらく考えて、緊張しつつも口を開きますわ。
「国内には、開拓してない場所がありますわよね?」
「開拓していないというより、出来ないが正しいな。瘴気がすごいのだ」
瘴気とは、〝瑠璃色の花束を君に〟の設定にもある毒の霧。ジョフロワ王国ができる前、悪い魔法使いが呪いを振りまいたという設定。女神様もその設定に忠実にこの世界に瘴気を振りまいているらしい。
瘴気は人間の思考回路をめちゃくちゃにする厄介なもの。最悪死に至る。だから、近づけない。
けれど打開策はある。聖女の力で浄化する。または…。
「瘴気は光魔法で祓えるはずです。長い時が過ぎて、瘴気も少しずつ薄れてきています。それでもまだすごい瘴気ですけれど」
「…そうだな」
「私、光の上級魔法までは使えますわ。王太子殿下なんて、光の超級魔法も使えますわ」
「そうだな」
王妃殿下が私の意図に気付いてにんまりと笑う。
「瘴気を祓って、難民達が来るまでにある程度開拓しますわ。王太子殿下と二人三脚で」
「ぜひお願いしよう」
ということで、早速近日中に瘴気を祓うことが決まりましたわ。シルヴェストルも孤島の貴族学園から外出許可を得て来てくれることになりましたわ。
そしてシルヴェストルが来てくださって、瘴気を祓いに行くことになりましたわ。




