王妃殿下への直訴
孤島の貴族学園から外出許可を得て、屋敷に一旦帰る。お父様に不法移民達を空き家に受け入れて、耕作放棄地を任せたいと言えば許可をもらえたので王妃殿下に直訴しに行く。
「して、急に謁見とは何があった?ミシュリーヌ」
「不法移民について聞いたので、私なりの対策を考えてきたのです!聞いてくださいますか?」
「ほう。聞こう」
「我が領内は今も経済的に成長を遂げており、豊かになる一方です。ですが、そのためにより良い仕事を求めて農家の者が農業を捨て家を出ています。これにより空き家と耕作放棄地が社会問題となりつつあります。これを逆手にとって、空き家に不法移民を住まわせ農業を担わせようかと思いますわ。どうでしょうか?」
「おお。それは良いな。まさにウィンウィンだな。国王陛下に許可をいただき、正規の手続きを踏むよう手配しよう。あとは管轄の者に任せるがいい。しかし、ミシュリーヌ。その発想は素晴らしいな。天晴れだ」
「ありがとうございます、王妃殿下」
こうして不法移民達への特別措置が講じられることになりましたわ。
後日、また王妃殿下からお呼ばれしましたわ。
「ミシュリーヌ。国王陛下の許可のもと不法移民達への特別措置が始まった。国中の不法移民が集められ、プロスペール領の空き家は全て埋まったが、不法移民の家族全組に家を用意できた。これでなんとかなるだろう」
「よかったですわ!ありがとうございます、王妃殿下」
「こちらこそありがとう。これからも将来の王太子妃として励むといい」
「もちろんですわ!」
立派な王太子妃への夢は、今度こそ順調ですわ!




