第二王子殿下との婚約
聖女である私にとって、婚約はかなり重要らしく。
第二王子殿下に婚約を打診された私ことソランジュは、考えに考えて、やっぱり第二王子殿下しか『お嬢様が一番大好き』な私を理解してくれる人は居ないと思って受けることにした。
けれどその前に、中央教会の聖王猊下に許可を得る必要がある。私は聖王猊下にお手紙を出して、第二王子殿下と婚約したいとお願いした。
すぐにはお返事は来なかった。やっとお返事が来たと思ったら、国王陛下にももう話がいっていて、正式に第二王子殿下との婚約が決まっていた。聖女である私と、第二王子であるセラフィン殿下との婚約は大々的に発表された。ちょっとだけ恥ずかしいけれど、国中の人から祝福されるのはやっぱり嬉しい。
「ソランジュ、第二王子殿下。婚約おめでとうございます。心から祝福いたしますわ」
「ありがとうございます、お嬢様!」
「ありがとう、ミシュ」
でも、やっぱりお嬢様からの祝福が一番嬉しい。
「二人ともいつのまにそんな仲になっていたんですの?」
「秘密」
「えー。第二王子殿下、意地悪ですわ!」
「ふふ。もう、お嬢様ったら」
クスクスと笑い合う私達。やっぱり、私はお嬢様が大好きだ。
「そういえば、ルーセルも最近ナディアと婚約したんですの」
「え、本当に?」
「そろそろ公表されますのよ」
「おめでとう」
「本人達に言ってあげてくださいまし」
本人達にももちろんちゃんと言うつもりです!
「ちなみにお従兄様とオリアーヌ様も婚約したんですの」
「へー、そうなんですね!お祝いしないと!」
「ここのところ、婚約ラッシュ続いてるな」
「めでたいことがこうも続くと、びっくりですわね」
そんなことを言いながら優しく笑うお嬢様。この笑顔をずっと見ていたいな。そう思っていたら、第二王子殿下も同じようなことを考えていたようでふと目が合うとお互い笑い合う。そんな私達を見て、お嬢様はラブラブですわとからかってきた。




