表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍化】悪役令嬢に転生したのでノリノリでなりきりしてみたところ、何故か溺愛されている気がしますわ!?【発売中】  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/78

とりあえずヒロインに『この泥棒猫!ぱちんっ!』をやって見ましたけど、情が湧いてしまったせいですごく優しいぺちんっ!になってしまいましたわ!?

朝になりましたわ。リゼットが起こしてくれて朝の支度を済ませて、朝食をみんなで食べて学園の自分のクラスに入りましたわ。


今日から私、悪役令嬢として輝きますわ!


そのためにもまず、ソランジュには誰か攻略キャラクターに近づいて欲しいのですけれど…。


「お嬢様、今日も良い天気でよかったですね!」


ソランジュは私にべったりですわ。とはいえまだシルヴェストルもセラフィンもルーセルも登校前。登校してきたら誰かソランジュに絡んでくるかもしれませんわ!


「そうですわね、ソランジュ」


「私、授業についていけるでしょうか…読み書きと計算はなんとかなるんですが、教養とか自信がなくてちょっぴり不安です」


「あら、でしたらみんなでお勉強会もいいですね!ねえ、ミシュ様」


「そ、そうですわね」


余計なことを!仲良くし過ぎてはダメなのですわ!


「わあ、いいんですか?お嬢様と、皆様とお勉強会!すごく楽しみです!」


嬉しそうなソランジュに罪悪感。私、これから隙を見て貴女を虐めますのに。


「あ、王太子殿下と第二王子殿下です!坊ちゃんもいますね!」


三人が固まって登校してきましたわ。すっかりと仲良しになった三人ですわ。


「おはよう、ミシュ。みんなもおはよう」


優しい笑顔で挨拶をしてくるシルヴェストル。婚約者も大変ですわね。私を嫌いなはずなのにこんな毒気のないように見える笑顔を作らないといけないなんて。


「おはようございます、殿下」


「おはようございます、王太子殿下!」


「おはようございます」


「おはようございます」


「第二王子殿下とルーセルも、おはようございます。いい朝ですわね」


私が話しかければ、セラフィンとルーセルも笑顔になる。


「おはよ、みんな。いい朝だな」


「おはようございます、義姉上。皆もおはよう」


「おはようございます、坊ちゃん、第二王子殿下」


「おはようございます」


「おはようございます、いい朝ですね」


さて、ご挨拶も終わったところで何か虐めを始めるきっかけはないかしら?


「そうそう。ソランジュ。ミシュを助けてくれたお礼を改めて伝えたくて、贈り物を用意したんだ。どうぞ」


「え、え、そんな、受け取れません!」


「いいから。受け取って?開けてみてよ」


ソランジュに最初からグイグイいくシルヴェストル。さすがメイン攻略キャラクターですわ!いいですわよ!


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…。…わあ!すごく綺麗なローブ!」


「聖女としてのお仕事が来た時にでも使ってよ。友好の証だよ」


「えへへ。ありがとうございます、王太子殿下!」


まあまあ。友好の証だなんて格好つけちゃって。出会いイベント強制スキップで心配しましたけれど、シルヴェストルは無事ソランジュに目をつけたようでなによりですわ。


そしてそんなシルヴェストルがソランジュにプレゼントを用意して、直接それを目の前で見た今こそソランジュに対して虐めをする好機!


ここはそうですわね…一番有名なアレ、行ってみましょうかしら!


「…ソランジュ」


私は重苦しい雰囲気をわざと醸し出してソランジュの目の前に立ちますわ。


「…お嬢様?」


「…この、泥棒猫!」


…ぺちっ。


「…」


「…」


「…?」


しっしまったー!とりあえずソランジュに『この泥棒猫!ぱちんっ!』をやって見ましたけれど、変にソランジュに対して情が湧いてしまったせいですごく優しいぺちんっ!になってしまいましたわ!?


「あの、お嬢様…?もしかしてヤキモチを妬いてしまいましたか?」


「…っ!」


か、かくなる上は、シルヴェストルにまとわりついて小物ムーブですわ!


「そ、そうですわ!婚約者に近づく女に嫉妬して、何か文句がありまして!?」


シルヴェストルの腕に絡みついて、わざと腕に胸を押し当てますわ!うんうん、悪役令嬢っぽいムーブになんとか戻せましたわ!


「近づく女って、義姉上…」


呆れた表情のルーセル。


「…おーおー、お熱いことで」


大好きなお兄様を騒動に巻き込まれて、むすっとしたセラフィン。


「まあ…ミシュ様がわがままを仰るなんて、珍しいですね」


びっくりした表情のナディア。


「ふふ、笑っちゃいけない場面なんでしょうけれども、ミシュ様可愛いです」


何故かニヤニヤするオリアーヌ。


「あ、あの、ごめんなさい、お嬢様…!」


あわあわとするソランジュ。そして。


「…ミシュ」


相変わらず顔を真っ赤にして怒る、シルヴェストル。うん!完璧な悪役令嬢ムーブが出来ましたわ!自信を取り戻しましたわ!


「な、なんですの?私、悪くありませんわ!殿下とソランジュが悪いのですわ!私の前でイチャつくから!」


うんうん、この小物ムーブ!悪役令嬢っぽくてすごく良い感じではございませんこと?いつも完璧な、人望もある貴族の娘であるミシュリーヌこと私が、ヒロインに対しては嫉妬をして小物ムーブ!ええ、良い感じですわ!


「王太子殿下、ごめんなさい…!やっぱりこのローブはいただけません…!お嬢様、本当にごめんなさい!」


「いいえ!私の愛する婚約者である殿下に媚を売った罪!許しませんわ!」


ふふん!どう?この悪役令嬢ムーブ!周りの反応を伺いますわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ