入学パーティーですわ!
「わあ!豪華絢爛ですね!」
ソランジュがきらきらした瞳で会場を見回しますわ。さすがは貴族の通う名門校。入学パーティーも豪華絢爛ですわ!会場でお従兄様とも再び合流しましたわ。
「えっと。入学パーティーって実際には何をするんですか?お嬢様」
「校長先生や来賓の方々の祝辞を聞いて、担任になる先生の紹介があって、そのあとはダンスパーティーですわ」
「へえ、ダンスパーティーかぁ…楽しみです!」
「それでは皆様、入学パーティーを始めます」
「いよいよですわね」
長ーい校長先生や来賓の方々の祝辞が終わり、担任の先生の紹介、それも終わるといよいよダンスパーティーが始まる。今日は日頃から磨いたダンスの腕のお披露目ですわ!楽しみですわ!
「これで先生の紹介も終わりだわ。私達の担任の先生は優しそうな方で良かったですわね」
「おじいちゃん先生は経験も多いでしょうから、安心ですね。ミシュ様」
「ここからは、入学祝いのダンスパーティーとなります。皆様心からお楽しみ下さい」
「始まったね。ミシュ、一曲お願い出来ますか?」
シルヴェストルが手を差し出してくれる。
「もちろんですわ!大好きな殿下のお誘いですもの!」
ここでもすかさず好き好き攻撃で嫌がらせする私。シルヴェストルは相変わらず顔を真っ赤にして不機嫌になる。
「聖女様、僕と踊らない?」
「だ、第二王子殿下と!?大丈夫でしょうか…」
「失敗してもフォローするから大丈夫。ほら、行こう?」
セラフィンがやや強引にソランジュを連れてダンスに興じる。
「ナディア嬢、せっかくなので僕と踊ってくださいますか?」
「もちろんです。よろしくお願いします、ルーセル様」
ルーセルはナディアを誘いましたわ。すごく自然に流れるように誘いましたわね。
「オリアーヌ嬢、私と踊ってくれないかな?」
「トゥーサン様となら喜んで!」
お従兄様はオリアーヌをダンスの相手に選んだんですのね。
「王太子殿下とミシュリーヌ様のダンスは息ぴったりだな」
「ミシュリーヌ様、素敵だな…まるで女神様のようだ」
こそこそと私を讃える声が聞こえますわ。そうでしょうそうでしょう、このためにダンスレッスンも頑張りましたのよ!
「第二王子殿下も素晴らしい…さすが王太子殿下の弟君だ」
「…!第二王子殿下と踊っているのは聖女様か!この光景はなかなかにすごいな…」
うんうん、やっぱりヒロインは目立ちますわね。
「まあ、なんて素敵なのかしら!でも、聖女様は平民だからかダンスには慣れていませんわね?」
「だが第二王子殿下のエスコートが上手いな。聖女様を上手くリードしていらっしゃる」
貴女は私のライバルですのよ!頑張りなさい、ソランジュ!今度、あの子のためにダンスレッスンをしてあげないと…!でも、ソランジュの相手がセラフィンで良かったですわ。上手くリードしてくれているみたいだし。
そして、やがて曲が終わりますわ。
「ミシュ、このまま二人でもう一曲…」
「ミシュ、次は僕と踊らない?」
「第二王子殿下と?もちろん構いませんけれど」
「良かった!」
「…弟にとられた。まあ、仕方がないね。楽しんでおいで」
シルヴェストルが私の手を離しますわ。そして私はセラフィンの手を取りますわ。
「行ってきますわ!」
「待って、ミシュ」
「お従兄様?」
「第二王子殿下の次は私と一曲お願いするよ」
「もちろんですわ!」
お従兄様とも踊れるなんて楽しみですわ!
「義姉上、その次は僕と踊ってくださいますか?」
「もちろんですわ」
ルーセルとも踊る約束をしましたわ。
こうしてみんなパートナーを取っ替え引っ替えしながら、ダンスをとても楽しみましたわ。
今日の入学パーティーは、なんだかんだでとても思い出に残る時間となりましたわ。




