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【電子書籍化】悪役令嬢に転生したのでノリノリでなりきりしてみたところ、何故か溺愛されている気がしますわ!?【発売中】  作者: 下菊みこと


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十五歳になりましたわ!

「おはようございます、ミシュお嬢様。朝ですよ」


「リゼット、おはよう」


「今日も良い朝ですね。…ミシュお嬢様。十五歳のお誕生日、おめでとうございます。リゼットはこの日をミシュお嬢様と迎えられて幸せです」


ふふ。ふふふふふふ!


そう!私、今日で十五歳になりましたわ!今日という今日まで悪役令嬢としての資質を高めるため、魔法学やマナーの勉強、さらには他の科目の復習なども頑張って参りましたの!


さらに、悪役令嬢として相応しい美貌も保つためストレッチや美容にも気を使いましたわ!おかげで十五歳とは思えぬ完成された美しさも手に入れましたわ!


「ふふ。私も、一番にリゼットにお祝いしてもらえて嬉しいですわ。これからもずっと、私と一緒にいてね?」


「ミシュお嬢様…もちろんです!」


涙ぐむリゼット。もう、何年も一緒にいるからすっかりと情が移ってしまいましたわ。


「これ、お誕生日プレゼントです。使用人である私ですが、今年もどうしてもお祝いしたくて…」


「ありがとう。開けて良いかしら?」


「はい」


箱を開けると可愛らしいガラス細工の青い小鳥。


「この子がミシュお嬢様に幸せを運んでくれるようにと選びました」


「まあ…高かったでしょう?もう、無理をしなくていいのに」


「ミシュお嬢様のお誕生日ですから!」


仕方のない子。でも、そんなリゼットがとても可愛いですわ。


「ふふ、もう。ありがとう、リゼット」


乙女ゲーム本編の学園入学まであと少し。学園にももちろんリゼットを連れて行くつもりですわ。


「ねえ、リゼット」


「はい、ミシュお嬢様」


「私、貴女がいてくれてよかった」


この子がいれば、悪役令嬢として断罪された後もきっと私は幸せでいられますわ。


「ミシュお嬢様…!」


「ふふ。さあ、今日も朝の支度をお願い」


「はい!」


リゼットに手伝ってもらって着替えなど朝の支度を済ませて、部屋を出る。すると、ルーセルが廊下で待ち構えていましたわ。


「あら、ルーセル」


「おはようございます、義姉上」


「ふふ、おはよう」


「お誕生日、おめでとうございます」


「ありがとう。祝ってもらえて嬉しいわ」


にっこり微笑めば、ルーセルもふわりと花が咲くように笑う。


「義姉上のお誕生日をお祝い出来て、僕も嬉しいです」


「ふふ、可愛い子」


「これ、お誕生日プレゼントです」


「今年は何かしら?開けてもいい?」


「はい」


箱を開けると、かなり装飾の凝ったオルゴール。


「特注品のオルゴールですわね?かなり凝ってますわね」


「ええ。義姉上にぴったりな曲を聴いたので、職人達に作らせました」


「まあ、では聴いてみますわ」


オルゴールのゼンマイを回すと、綺麗な曲が流れる。思わずほうっとしてしまう。


「いい曲ね…」


「義姉上にぴったりでしょう?ゆったりとして穏やかで、上品で。けれど威厳も感じられて」


「ふふ、私ってそういうイメージなのかしら?」


「ええ」


悪役令嬢としての演技が上手くいっている証拠ですわ!うふふふふ!


「なら良かったわ。王太子妃教育の賜物ですわね!」


「はい。義姉上は本当に素晴らしいです。努力家な義姉上は、僕の自慢です」


「あらあら、うふふ」


「でも、王太子妃教育のおかげもありますがきっと義姉上にそれだけの資質があるからこそだと思います」


「もう、煽てすぎよ」


まさにその通りですわ!私って悪役令嬢としての資質アリアリですわ!


「義姉上は謙虚な姿勢も美徳ですね」


「ルーセルが褒め上手なだけだわ」


「そんなことはありません。…さあ、食堂で朝食を済ませに行きましょう。義父上も義母上もお待ちですよ」


「ふふ、ええ。すぐに行きましょう」


ルーセルに差し出された手をとり、二人で手を繋いで食堂へ行く。私の奴隷は、歳を重ねても最高の奴隷ですわ!


「おはようございます。お父様、お母様」


食堂で待っていたお父様とお母様にご挨拶。


「おはよう、ミシュ。お誕生日おめでとう」


「おはよう、ミシュ。今日は貴女の十五歳の誕生日ね、とっても素敵な日だわ。おめでとう」


「ふふ、お父様もお母様もありがとうございます」


満面の笑みを浮かべ、誕生日を祝ってくれる両親。


「お誕生日プレゼントよ、どうぞ」


「私からもお誕生日プレゼントだ。受け取っておくれ」


両親からプレゼントを渡される。


「ふふ。早速あけますわね?今年のプレゼントはなにかしら」


にこにこ見守ってくれる両親の前でプレゼントを開封する。そこには大きく、美しくカットされた守り石が二つ。


ちなみに守り石とはパワーストーン的なものですわ。魔力を込められる特殊な宝石で、価値がかなり高いものになりますわ。込められた魔力を使って持ち主を守ってくれますの。


「まあ…!こんなに大きな守り石初めて見ましたわ!」


「ふふ、学園への入学も間近だからね。親元を離れての孤島での寮生活は大変だろう。この守り石がお前を守ってくれるよう、祈っているよ」


そう、貴族学園は我が国の所有する広めの孤島にありますの。全員寮生活ですわ。もちろん悪役令嬢として最高の演技を約束しますけれど、キャンパスライフ自体は密かに楽しみなのですわ!前世も含めて、寮生活は初めてですの。前世では実家から自転車通学でしたし。


「ふふ、お父様、お母様、本当にありがとうございます!大好きですわ!」


「お母様もミシュが大好きよ」


両親に抱きつく。幸せですわ。


「さあ、この後はミシュのお誕生日パーティーが始まるからね。朝食を済ませてしまおう」


「はい、お父様」


お誕生日の朝食は、朝から豪華でしたわ。

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