暗殺者のお兄さん、とっても真面目に私を慕ってくれますわ!
ネルとネイはあれから、私の専属護衛となるために日々勉学と鍛錬に勤しんでいますわ。
ネルはリゼットと同じくらいの年頃で、推定年齢ですけれど私より五つは上ですわ。ネイは私と同じくらいの年頃だと思われますわ。
ネイはネルと同じ青い髪と瞳で、ぱっと見の印象では本当の兄妹に見えますわ。でも、血は繋がっていないのですわ。
「ネル、ネイ。今日も修行が捗りますわね」
「はい!はやくお嬢様のお役に立てるよう頑張ります!」
「ネイは本当に良い子ですわね」
「お嬢様、もし稽古を見ていかれるのならこちらに椅子をご用意します」
「ネル、ありがとう」
あれからすっかりとネルもネイも私に懐いて、心から敬愛してくれていますわ。これでますます将来の心配をせずに、悪役令嬢としての演技に打ち込めますわ!
ネルの用意してくれた椅子に座ってネルとネイの稽古を見守りますわ。ネルはさすがの身のこなしで、すでに頭角を現していますわ。ネイも、小さな身体で頑張っているのがよくわかりますわ。
「リゼット、私の秘蔵のチョコレート菓子をあの二人のために用意して差し上げて」
「え、良いんですか?」
「私のために頑張ってくれているのだもの。報いたいわ」
「お嬢様…ご立派です!」
そしてリゼットがチョコレート菓子とお茶を二人のために用意してくれた。リゼットにご褒美のいちごの飴玉を渡せば嬉しそうに笑う。そして鍛錬が終わったあとネルとネイにチョコレート菓子を差し出せば、感激しながら食べてくれた。
ここまで心酔されると、もう悪役令嬢としては最高なのじゃないかしら?こんなに周りから好かれる私が、ソランジュには嫉妬していじめる。うん、とっても良いムーブですわ!私、とっても自信満々ですわ!




