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【電子書籍化】悪役令嬢に転生したのでノリノリでなりきりしてみたところ、何故か溺愛されている気がしますわ!?【発売中】  作者: 下菊みこと


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隠しキャラについて思い出しますわ

今日も今日とて王城で先生の厳しい講義を受けてヘトヘトですわ。でも、美味しいお夕食を家族と食べてお風呂に入って、リゼットにマッサージをしてもらってベッドに入るとホッとしますわ。


今日は寝落ちる前に隠しキャラについて思い起こしておきますわ。


〝瑠璃色の花束を君に〟の攻略キャラクターは、ルーセル、シルヴェストル、セラフィン、トゥーサンの四人。しかし隠しキャラとして、ネルというキャラクターがおりますの。


「平民で、スラム街出身の暗殺者。青い髪と瞳を持つキャラクターでしたわね」


そんなネルは悪役令嬢ミシュリーヌを殺す相手ですの。


ネルはスラム街で心を殺して生きてきましたわ。スリや強盗など罪を犯しながら生きてきたネル。そしていつからか暗殺者となり、それでお金を稼ぐようになる。


そんなネルは、ある日任務のために怪我をする。

そんなネルを偶然にも見つけたソランジュは、彼を心配して怪我を祈りの力で癒してあげる。そして血を拭うようにとハンカチをプレゼントする。


「人に優しくされたのは初めてのネルは、ハンカチを宝物として大切にする。可愛らしいところもあるんですのよね」


そんなネルはたまにソランジュを見守っては、ソランジュが幸せそうにしているのを喜んでいた。


ところが、ソランジュが選ぶのがどのルートでもソランジュはミシュリーヌにいじめられる。


ネルはミシュリーヌを許せない。しかし公爵家の娘であるミシュリーヌはそう簡単には殺せない。


「でもどのルートでもハッピーエンドではソランジュはパートナーと共にミシュリーヌを断罪しますわ。そうなると、ミシュリーヌは罰として修道院に送られますの。その送りの馬車を襲撃して、ネルはどのルートでも必ずミシュリーヌを殺すのですわ」


そんなネルは、隠しキャラとして攻略することも出来る。隠しコマンドが必要だけれど。


そのルートの場合、ソランジュはいつも誰かが見守ってくれているような気がしていて、それがネルだとある日気付く。


そしてネルは再会は望んでいなかったが、ソランジュがしつこく自分を呼ぶので顔を見せる。


「ソランジュはネルにやっと会えたと微笑み、交流を始める。いつしかお互いに求め合う二人。ああ、あれはときめきましたわね」


しかし周りから聖女のお相手が暗殺者なんて、と言われ二人の仲が認められることはなかった。


ソランジュは最終的に聖女であることもなにもかもを捨ててネルを選び、駆け落ちする。


そしてハッピーエンドとなるわけだ。この場合でもミシュリーヌはソランジュをいじめているのは変わらないので、駆け落ち前にこっそりと殺されている。ネルとしては、どうせ駆け落ちするのでミシュリーヌを手に掛けても後先のことは考える必要がなかったのだ。


「ということで、ネルは悪役令嬢としての演技を終えた私にとって死神となるわけですわ」


恐ろしいですわね、本当に。


「ですから、私はネルを出来れば味方につけたい」


だって、悪役令嬢として最高の演技をするつもりはありますけれど死にたくはありませんもの。


「となれば、ソランジュより先にネルに近付いてそのまま私の手元に置くのが一番理想的ですわ」


けれど、ええ、それが無理難題なのですわ。


「市街に出たいというのは簡単でしたけれど、スラム街に行くのはお父様もお母様も反対するでしょうね」


ついでに言うならリゼットとルーセルもきっと危険だと反対しますわ。


「どうやってスラム街に行ってネルを見つけようかしら…」


善は急げ、なるべく早くネルと会いたいのですけれど…。


「…まあ、とりあえず」


目を閉じる。


「今は眠るに限りますわ」


そう、いつまでも考えていてもしょうがないですもの。頭をリセットするためにも、今は眠るべきですわ。


「案外、棚からぼたもちで明日解決するかもしれませんし」


例えば、何かのご褒美としてスラム街の視察をお願い出来たりだとか。


「まあ、そんなに都合よくは行かなくてもせめて打開策が考えつけば良いのですけれど」


ああ、意識がトロンと溶けていく…。私はすっと眠りにつきましたわ。

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