表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/78

お従兄様が遊びに来ますわ!

「義姉上、今日はなんだかご機嫌ですね」


「ふふ、わかる?さすがはルーセルね」


今日は、私は朝からご機嫌だ。なぜなら…!


「あらあら、ミシュは本当にサンが好きね」


「サンも相当ミシュを可愛がっているからな」


お父様とお母様はニコニコと微笑ましげに私を見守る。


「サン?」


「ああ、ルーセルはこれが初対面になるのね」


「ミシュの従兄のトゥーサン・ユルバン・ヴァレリアンだ。仲良くするんだよ、ルーセル」


そう。乙女ゲーム〝瑠璃色の花束を君に〟の攻略キャラクターでもあるトゥーサン・ユルバン・ヴァレリアン。お従兄様が遊びに来る日だから私はこんなにもご機嫌なのですわ!


「楽しみですわ」


「よかったですね、義姉上」


「ええ、とっても!」


「サンは侯爵家に嫁いだ私の妹の一人息子でね。ややナルシストなところはあるが、その分というか子供にしては出来がいい。銀髪に青い瞳で、かなりの美丈夫だ」


「…そんなすごい人と仲良くできるでしょうか」


なにやら自信なさげなルーセルの肩を叩く。


「大丈夫よ、ルーセル。貴方だってとても美人だし、可愛いし、何よりいい子じゃない!きっとお従兄様のセンサーに引っかかるわ!」


「センサー…?」


「気に入られること間違いなしよ!」


「そ、そうかな…?義姉上がそう言うなら、そうなんでしょうか…?」


「ええ。私も応援しているわ!」


ああ、お従兄様はやく来ないなぁ。










乙女ゲーム〝瑠璃色の花束を君に〟の攻略キャラクター、トゥーサン・ユルバン・ヴァレリアン。悪役令嬢ミシュリーヌの従兄で侯爵令息。ナルシストでかなりの高スペック。銀髪に青い瞳のイケメン。


「ああ、お従兄様って本当に私の好みなのよね。顔が」


そう、実はお従兄様は私の最推しなのだ!そしてそのトゥーサンルートはこう。


トゥーサンは従妹である悪役令嬢ミシュリーヌを嫌っている。トゥーサンはナルシストで、顔立ちのよく似ているミシュリーヌを最初こそ可愛がっていた。しかし、その内面の醜さに気付いた頃からミシュリーヌを遠ざけるようになる。


しかし、トゥーサンの学園生活二年目でミシュリーヌが学園に入学してくる。トゥーサンはミシュリーヌを拒絶しているのに、ミシュリーヌはトゥーサンにしつこく纏わりつく。


「そしてトゥーサンはストレスを抱え込みながらも、完璧で最高の自分を維持しなければと表に出さないように頑張るのよね」


しかしその無理がたたりある日突然倒れるトゥーサン。それを助けるのがヒロインソランジュだ。幸い人気のない場所だったため騒動にもならなかった。


「ソランジュは人気のない校舎の裏の木陰で倒れこむトゥーサンを発見して、トゥーサンを優しく介抱する」


そしてトゥーサンが目を覚ますと、膝枕をしてくれているソランジュがいた。トゥーサンはソランジュの気遣いと優しさに心から感謝して、惹かれていく。


「そして、そんなトゥーサンを見たミシュリーヌがソランジュに嫉妬をしていじめるようになる。するとトゥーサンはソランジュを守るため証拠を徹底的に集めて、ミシュリーヌを公の場で断罪するのよね。あのシーンはかっこよかったわ!」


イケメンのトゥーサンがソランジュを背中に庇い悪役令嬢ミシュリーヌを断罪する姿は本当に素敵だった。


「でも、最推しに嫌われるのはごめんなのよね」


悪役令嬢としても、従兄を味方につけておいて損はないはず!ということで、私はお従兄様に嫌われるような振る舞いはしていない。無駄なことはしないのだ!


「ああ、早くお従兄様に会いたいですわ」


銀髪に青い瞳のイケメンとか、本当に好みドストライクですもの。ナルシストなのも良い。また自信に見合ったスペックの高さも最高。まさに目の保養ですわ。馬車はまだかしら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 悪役令嬢になるにしても ヒロインに他の攻略対象を狙って貰えば良いので 全員に嫌われる必要ないよね。 そもそも従兄が倒れなければ出会わないみたいだし (´・ω・)b [一言] 元の悪役例も…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ