第二王子ルートを思い出してみますわ!
さて、悪役令嬢としてとても楽しく遊んだ結果。私はお母様から説教を受けた上お部屋で謹慎を言い渡された。暇なので第二王子ルートでも思い出して暇つぶしをしようと思う。
「第二王子はセラフィン・シメオン・ジョフロワ殿下。赤髪に緑の瞳。シルヴェストルのことが大好きなブラコン」
結構面倒くさいタイプの攻略対象者ですわ。
「兄への憧れと愛を拗らせたタイプのブラコンで、兄に対してはいわゆるツンデレ。他の人に対しては割と面倒見の良い優しい王子様だけど、兄に近寄る人に対しては番犬モードを発動する。そうなると一気にガルガルモード突入」
もしこのブラコンを攻略したいなら、シルヴェストルとは極力イベントを避けなければならないのですわ。
メインの攻略対象者であるシルヴェストルとはイベントの数も他より多いのですわ。それらをほぼ回避しておかないといけないのは結構キツいですわ。
「でも、出会いイベントから可愛いのよね…」
セラフィンとの出会いは、ヒロインであるソランジュがハンカチを落としたところから。シルヴェストルとの出会いイベントと同じくらいベタですわ。
セラフィンはハンカチを拾ってソランジュに届ける。ソランジュは笑顔でお礼を言って、お礼にと手作りのクッキー(お腹空いた時のために持っていたもの、ソランジュの体力回復アイテム)を渡す。そんなソランジュの笑顔にキュンとして、後で食べたクッキーのあまりの美味しさにさらに惚れ込む。ベタですわ。
というかこの兄弟達二人ともソランジュに一目惚れしていらっしゃる…。血は争えないなぁ。
「そんなセラフィンは、シルヴェストルの婚約者に相応しくないとミシュリーヌによく突っかかって喧嘩になるのですわよね」
さて。そこが問題である。
「…悪役令嬢としては、どう振る舞うべきかしら?」
設定通り、険悪な仲になるべきか。手懐けてこちら側に引き込むか。…引き込んだところで、シルヴェストル関連になれば簡単に裏切られるのがオチか。
「うーん」
でも、どうせなら完璧な悪役令嬢ムーブをしたい!設定通りでいいの?あともう一捻りなにかないの!?
「…ダメだわ。思いつかない」
とりあえず、セラフィン自身の動きを見て判断しましょう。別に設定通り嫌われても困りはしないもの。
「さて、もう一眠りしましょう」
謹慎中は暇なので昼寝しかすることがないのですわ。はやくまたシルヴェストルに会いたいなぁ。悪役令嬢ムーブかましたいー!