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2、スキル整理と謎の美女

第2話です。

筆が遅くてすみません(◞‸◟)

 ほろ酔い気分が、吹っ飛ぶ程には衝撃的な出来事に遭遇したであろう俺は、無意識に手に持った缶ビールをひと口飲んでいた。

「・・・ハ、ハハ。ついにこの時が来たか。

 頭、お花畑モード突入!ってか?」

 ついに自分は、現実から目を背けて狂ってしまったと思った。

「違うよ」

 俺の背後から聞こえた声に、振り向くとそこには、見知らぬ男がいた。(どえらいイケメンが!)

「やぁ、こんにちは」

 男は、そう挨拶してくると右手を差し出してきた。

「・・・こんにちは?」

 戸惑いながらも、俺は握手を返すと男は、微笑みながら自己紹介してくれた。

「僕?私?は、君達が神と呼ぶ者だ。

 ああ、お花畑モードじゃなくて、本当だからね。

 しかし、偶然とはいえ、こっちに転移して来るなんて君、運がいいのかな?」

「え?」

「いやいや、生身のままこちらに来れる人間は、かなり珍しいからね」

「そうなんですか?」

 首を傾げてそう言った俺に、神を名乗る男は頷き、話を続けた。

「そうそう、君はせっかくこの世界に来たんだから、何かやりたい事は無いかい?僕は、一応『神』だからね。ある程度は、叶えてあげられない事も無いかな?どうかな?」

 その言葉に、俺はしばし逡巡してから答えた。

「では、此処に暮らしても構いませんか?

 先程から見える、ここからの景色や眺めが最高なんでここに住めたらと思いまして。

 せっかくの機会ですし、良ければなんですけど?」

 俺がそう言うと、神様は面白いモノを見つけた様な笑顔で、頷いた。

「あははは、此処に住むのかい?

 確かに、ここの景色や眺めは、この世界でもかなり力を入れて創った(つくった)からねぇ。

 ・・・・良いよ。気に入ったなら、神様冥利に尽きるからね。

 ここに住んでくれて構わないよ。

 あとは、流石に何の能力(スキル)天啓(ギフト)も無いのは、厳しいと思うからいくつかあげよう。

 ここで暮らすなら、生活系全般は必須だよね?

 あとは、技術系に戦闘系も少々。

 魔法系は、初期と中級は全部と上級・・・

 いや、"あいつ“が来ると面倒くさいから、神級まで全部使える様にしとくか!

 あ、今から君に神威(チート)を授けるから、少し身体を弄る(いじ)ね。

 心配は、いらないよ!授ける技術や魔法、知識が全部使える様にするだけだから!

 じゃあ、目を閉じて」

 そう言って、神様は俺に向かって手を翳す。

 俺は、半信半疑のまま目を閉じた。

 そして、五分ほど経つと、目を開けていいと言われたので、ゆっくりと目を開くと俺は内側から迸る力の奔流に立ちくらみがして、膝を折ってしまいそうになる。

 神様は、そんな俺を支えてくれて、ゆっくりと座らせてくれた。

「いやぁ、ごめんごめん。

 僕の創った世界を、気に入ってくれたのが嬉しくて、つい、一気にやっちゃったよ〜!ハハハッ」

 そう言って、笑う神様。

 しかし、こちらはそれどころじゃなくて、出口を求めて身体の中を巡り、暴れ回る力の奔流をどうしようかと、必死だった。

 考えが纏まらず、結局俺は空に向かって両手を上げ

 吼えた。

 次の瞬間、力の奔流は俺の身体から、凄まじい勢いで空へと放たれた。

 それを見て、神様はパチパチと拍手しながら、空を見上げていた。

「いやはや、君、魔力耐性や保持能力が優れているんだねぇ。僕が渡した魔力が、万分いや、億分の一しか世界に帰らなかったよ。

 これなら、君に授けた神威(チート)は全て問題なく使えるね!・・・て、どうしたの?そんな顔て?」

 神様は、俺がジト目で見上げているのを、不思議そうな顔で見下ろしてきた。

「・・・いや。さすがにあんな風にされたら、こんな顔にもなりますよ。

 何なんですか?今の身体が裂けるかと思うほどの痛みは!殺す気ですか!?」

 神様は、不思議そうな顔から一転、納得した顔をして話し出した。

「いやぁ悪い悪い。楽しくなってついねぇ。

 君には、この世界で生きていく上で、必要な能力を授けた。

 いくつかは、世界に魔力として還元されたけど、今の分の神威が定着すれば、再取得は可能だから頑張って!

 それから、もう一つ教えておくと、この場所は世界の果てのそのまた向こう!まぁ、秘境って事だね。

 人の足では遠すぎる。獣の足では険しすぎる。

 鳥の羽根では高すぎる。魚の泳ぎでは遅すぎる。

 だから、この場所は世界で一番美しい。

 吟遊詩人が、酒場で歌っていたこの場所の事さ!

 ちなみに、ここから一番近くにいる種族は、ドラゴンさ!

 僕が作ったから、もちろん世界最強!世界最大!世界最高の種族だ!ワハハハハハ!!」

 俺は、唖然とした。

 空想上の生物だと思っていたものが、ここでは現実に存在するらしい。(しかも、お隣さん)

 俺が頭を抱えて蹲っていると、神様は笑顔を浮かべてこう言った。

「まぁ、これからはここが君の世界だ!

 しっかり楽しんでくれ!じゃ、僕は帰るよ」

 わ

 そう言って、神様は目の前から消えた。



「・・・さて、気を取り直して、まずは衣食住の『住』かな?

 ドラゴンがいるのに、野宿なんて出来ないからな。

 ただ、この景色は壊したく無いから、少し移動するかなぁ」

 俺はその場を後にして、家を建てる場所を探して、歩く事にした。

 歩いていると丘の少し下に、いい感じの広場を見つけてそこに家を建てる事にした。

 広場に降りてみると、中心部に池の様な水場があり、

 その水の中を覗くと、魚が泳いでいた。

 透き通る水は、底の方まで見えている。

 飲み水としても使えそうだな。

 飲料水が、確保出来たのは良かった。

 この近くに家を建てる事にして、まずは材料集めだな。

 正面に水場があって左手側は開けており、景色がとても良い。

 つまり、材料になりそう物は何もない。

 右手側は、少し先の方に木が見える。

「あれは、林?…いや、森か?」

 ならば、多少切っても大丈夫だろう。

 と思ったが、切る物が何もない事に気づき、愕然(がくぜん)としてしまった。

 困った俺が頭を抱えていると、『スキルやチートを使うのです』という言葉が、浮かんできた。

「なるほど!」

 俺は、すぐさま貰った力の確認をしたが、挫折しそうになった。

 膨大で莫大な量の《能力(スキル)》《天啓(ギフト)》《神威(チート)》が脳内に現れたのだ。

 あまりの情報量に、俺は目眩がして倒れそうになった。

「…これは、酷いな」

 家を建てるのを一旦中断して、俺は貰った力のまとめに取り掛かる事にした。

 細分化し過ぎて、似たような能力のオンパレードが出来てるし、上位・下位互換なども山の様にある。

「先ずは、必要なチート・・・・・あった」

 俺は、一先ず必要であろう神威(チート)

 《融合・分離・進化》を見つけ、能力のまとめと進化に移った。

 ちなみに《分離》は、消しゴム感覚である。

 間違えた時用のやつ。

 それから作業に没頭すること、1か月ほど。

「や、やっと終わったぁ〜!」

 俺は、膨大で莫大な量の力達を《融合・分離・進化》でまとめ上げた。


 能力(スキル)は、

 ・戦闘(鍛練・型・体捌き・力の抜き方など)

 ・魔法(魔法の使用・魔力量調節・無詠唱など)

 ・製造(鍛治・細工・服飾など含む)

 ・育成(教育・指導・育児など)

 ・労働全般(農業・林業・畜産・漁業なども含む)

 ・錬成術(混ぜ混ぜするやつ)

 ・他にも色々。

 天啓(ギフト)は、

 ・神降し(戦闘力53万)

 ・脳内通信テレパシー

 ・閃き(かなり大事、これが無ければガクブル!)

 ・超能力(念動力・透視・スプーン曲げなど)

 ・他にも色々。

 神威(チート)は、

 ・時間/空間の操作系アイテムボックスなど

 ・身体/魔力の操作系(身体強化や大魔法など)

 ・武具/道具の操作系(聖剣、魔剣、炉端の石まで)

 ・素材/品質の操作系(粗悪品も最高級品へ)

 ・魔物/魔獣の操作系(龍の背に乗って〜!)

 ・全言語解読/理解/発音の操作系(絶対いるヤツ)

 ・融合/進化/分離(かなり役に立ちます)

 ・他にも色々。


 中分類でも、この量だよ。

 どこの人外だよ!?と1人ツッコミを入れるくらいには、情報過多なんだよなぁ。

 とりあえず今は、これでいいとして。

 家作り再開だな!

 そう決めて、俺は立ち上がると森に向かって歩いた。

 あ、ちなみに時間/空間操作してる間は、お腹が空かない事が判明した。

 嬉しい発見だった。

 まぁ、食料は確保するけども。

 そんなことを考えながら、歩いていると、道端に一本の枯れ枝が落ちていた。

 拾い上げて、森の方へ何気なく振ってみると、

 衝撃波が発生。

 入り口付近の木と奥の方を数十本薙ぎ倒すと、

 消えてしまった。

「お見事です。主人(あるじ)様」

「うわぁああ!びっくりした!!」

 急に後ろから声をかけられて、驚いた俺は心臓が飛び出すかと思いながら、振り向いた。

 そこには、綺麗な顔で、銀髪に近い薄紫のサラサラロングな髪にホワイトブリムを填めている女性が立っていた。

 中世貴族の屋敷で働くメイドさんの服を身に纏っているが、服の上からでも分かるスタイルの良さに驚いてしまう。

 その立ち姿に隙は無く、歴戦の猛者を思わせた。

 って、違う違う!彼女は一体誰だ?

 この場所は、俺しか居なかったはずだけど?

 疑問が頭に浮かぶたび、?マークが出てくるが答えは出ない。

 俺は、思い切って彼女に誰なのか聞いてみる事にした。

「あの、君は一体誰なんだ?」

 自分でも分かるくらい動揺しながら、おっかなびっくりと、言った感じで聞いてしまった。

 すると彼女は、音もなく何処から出したのか、一通の白い封筒を差し出してきた。

「主神様より、お預かりして参りました。

 委細は、こちらの封筒に」

 彼女は、そう言って俺の手に優しく封筒を置いた。

 そして、一礼すると姿勢を正し自己紹介を始めた。

「お初にお目にかかります。

 (わたくし)は主神様より、貴方様のお世話をするようにと遣わされた者で御座います。

 名前を『アリシア』と申します。

 これから、よろしくお願い致します」

 そう言って、彼女はもう一度、綺麗なお辞儀をした。

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