表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

恋毒虫

作者: しゆんた

会いたかった。もう二度と会えないと。

涙が溢れた。

じっとそれを見つめる瞳にあの頃を感じた。


僕は恋に落ちていた。

出会った頃の彼女はそれはもうかわいらしく無邪気で

白い服がよく似合ったし、いつも上品な白いブラウスを着ていた。

少し休みがちで、か弱い少女であった。


彼女の前では一言も話せなかったし

勇気を出して

二人で駅まで行ったのを最後

彼女はいなくなった。


3年後、再び再会した彼女はブティックを経営する大人びた女性になっていた。

僕は3年分の想いを

ぶつけた。


彼女はそっと微笑んで、私には今待ってる人がいるのだと伝える。

目の前でわざわざキスするような男だった。


彼女には虫がついていた。

食い荒らす虫を見ても僕は変わらなかった。

そんな僕を横目で見ていた彼女は

虫を振り払おうとした。


気づけば僕は倒れていて病院で起き上がる。

夢ではない。

あんな男には渡せないと再び起き上がる。


それを静止する手があった。

あの頃のままの少女が隣にいた。

彼女の隣に大人の彼女がいた。


二人はにっこりと笑い、あの頃の彼女は軽く咳をする。

妹をよろしくね。

私にはもうあの頃のようには戻れないわ。


いや。僕が恋したのは。

それをそっと制されて僕は間違いに気づく。


姉は消え二人だけの時間が流れる。

彼女はそっと傷口に薬を塗り

涙を流す。

本当にごめんなさい。

僕は彼女が入れたお茶を飲むと立ち上がり


二人は駅まで歩き始める。

少しお散歩しましょう。彼女と二人新しい道を行く。


傷口が痛み

心は脈打つ。


脈はどんどん早くなり私の鼓動は高まる。

誰もいない世界の片隅で

もう何も見えなくなり僕は彼女の名前を呼び続ける。


悲しくも財布を抜かれる感覚まではまだ残っていた。



僕には虫がついていた。



表現力よりストーリー性重視で書いてあります。


作者。本人はまだ再会できておりません。笑



消えてしまったあの子を題材にして

自分が今感じている虚しさを表現してみました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ