15 淫獣大決戦とライバル登場?
我は邪竜ギーセン。一時は竜族最強と言われた竜だ。
今は神に見捨てられた竜族から抜け出し神に復讐を誓う者。
くだらない掟に縛られ力を使えぬ今の竜族を根絶やしにして神を殺す者。それが我だ。
今は淫獣が目覚めたのを察知して、長年かけて育てた淫獣を回収しに、ここスラム街に来ている。
すると、面白い光景が広がっていた。
暴れ回る淫獣、防戦一方の者たち。その中にクロとシルバーがいた。
我と同じ腹から生まれし兄弟クロ。そして、我の最愛の竜の妹シルバー。今は失われてしまった我の片割れ・・・。
我の片割れを助けるのを邪魔した2人が目の前にいた。
怒りが、憎しみが膨れ上がる。
どす黒いオーラが立ち昇る。
それに反応した淫獣の力が増してゆく。
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スラム街の影の実力者、イネスさんの建物の前の開けた場所で淫獣と対時している僕たち。
住人が避難する時間を稼ぐため積極的にこちらからは攻撃をしないようにしています。
そう言ってるのに聞いてくれない人が3人程います。
ガバナスさんと勇者、意外なことにクロエちゃんも積極的に戦いに参加しています。困ったもんです。
ガバナスさんは盾を上手に使って触手攻撃をいなしながら、触手を槍を使って切り落としています。槍を使うより剣で切り落とした方が簡単でしょうに、騎士の矜持ってやつでしょうか。意地っ張りです。
切り落とされた触手はズリズリと地面をはいずって本体にもどっていきます。戻るのに時間が掛かるとはいえ触手の攻撃が減ったようには見えないので時間稼ぎにしか見えませんね。
あっ、時間稼ぎが目的なんだからこれで正解なのか⁉
勇者は右手で聖剣を持ち触手を切り落としています。聖剣の効果なのか切り落とされた先端は、のたうち回った後黒い霧のようなものに成って消滅しています。
左手には槍を持って聖魔法の付与をしている様です。それを淫獣の本体に向けて投げつけています。
当たった所にボコッと穴が空きその部分が黒い霧になって消滅しています。
穴は塞がって行きますがその分体積が減っている様です。
結構きいてそうですね。
勇者には増えたSPを使ってアイテムボックスを使える様になってもらっています。
結構SPが必要だったので残り僅かです。
そのアイテムボックスから左手に槍を出して投げる動作と同時に聖魔法のホーリーを付与しています。
その流れるような姿は熟練の戦士の様です。余裕まで有りそうです。
あれ?これ勇者が居れば楽勝じゃ無いの?
クロエちゃんはキャアキャア言いながら闘っています。
なんかパニックって居るように見えますね。
でも、結構戦えています。身体能力が高いのでしょうか?
細身のショートソードを上手く使えています。
鍛冶師ドンゴ・ドンゴがクロエちゃんの為に鍛えた業物で。切れ味と取り回しの良さを追求した一品ですね。
それにしてもどうしたのでしょうか?
クロエちゃんがこんなに攻撃的なのは珍しですね?
何か琴線に触れるものが有ったんでしょうか。
エログロが嫌いだとか。まあ、好きな女の子はあんまりいないと思いますが、なんでだ?
『マスター、クロエちゃんのステータス、パーティー登録をしているので見ることができますよ。』
『えっ、鑑定さんそうなの?そんな機能が有ったんだ。』
クロエ
13歳
ジョブ 魔女(魔王)
レベル 3
HP 67 (201)
MP 121 (363)
STR 57 (171)
VIT 55 (165)
INT 121 (40)
AGI 90 (270)
DEX 90 (90)
LUC 15 (15)
SP 9
状態異常(バーサーカーモード発動中)
あっ、やっぱりそーゆう状態だったのかあ。
バーサーカーモード。中々のチートスキルですね。
これで子供の時生き延びたんですね。
INTが下がって、なんか頭悪くなってる見たいですが、他はかなり上がっています。戦えているのも道理ですね。
なんて事をのんきに考えていたら、淫獣の胴体部分から触手より太いやつが何本も立ち上がって来ています。
立ち上がった先端の部分が丸く膨らむと口の様な穴が開き変な鳴き声の様な音を出しました。
途端に僕の意識がブラックアウトしました。
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クロエです。
気持ち悪い淫獣を見た途端、意識が無くなりました。
気が付くと剣を振って戦っていました。
剣なんか練習もしたことないのに、スムーズに身体が動いています。
向かって来る触手を軽く切りつけるだけで簡単に切り飛ばせます。
剣の平でいなしたり、紙一重で避けたりも出来ます。
なんか気持ち良いです。
結構わたし戦闘狂だったのかも。
気持ち良く戦っていると後ろの方から呼ぶ声がしました。
「クロエ、戻ってご主人様が。」
アデイラちゃんの声を聴いて後ろを見ると。
ご主人様、ガバナスさん、勇者様が倒れています。
とん、とバックステップで距離を取って3歩でご主人様の処へ到達します。
アデイラちゃんが盾で触手からご主人様を守っていました。
キリナちゃんは剣を持っていてもへっぴり腰で心もとないです。「あうっ」とか言いながら触手にいいようにされています。
ササラちゃんは盾を持っていますが自分の前に構えて居るだけです。目を閉じて居て「きゃーきゃー」言ってます。
マリアちゃんはご主人様の頭を膝枕して撫でて居ます。
なにしてるんでしょうね。まったく、そんなことしている場合じゃ無いでしょうに。
羨ましい。
勇者様とガバナスさんは、クロさんとシルバーさんが守っているので安心です。
守るというか、蹴っ飛ばして離れたとこに転がしてるだけみたいですが。邪魔だからどかしただけなのかな⁉
ご主人様を攻撃して来る触手は全部切り落として居るので問題無いですが、これでは本体を倒すことが出来ないので時間稼ぎにしかならないです。
ご主人様か勇者様が起きないと先へ進めません。
困りました。
クロさんとシルバーさんは自分達では積極的には倒しに行かないようです。私達に任せている感じですね。
それともご主人様が言っていた住人が避難するのを待っているのでしょうか?
北の魔女のイネスさんは魔法をちまちま使ってる感じです。
まだ本調子では無いのでしょうか?
リハビリをしている感じですね。
魔法、良いですよね、使って見たいです。
なんて事を考えたら頭の中に声が流れました。
『魔法を使える様にしますか。』
えっ?
『SPポイントを使って魔法を習得しますか?』
何だか良く分かりませんが使えるなら使える様になりたいですね。「はい、成りたいです。」
『何の魔法を覚えますか?』
ここは火か氷のどちらかですね。
「氷魔法をお願いします。」
『SP1ポイントを使い水魔法を取得。SP5ポイントを使い氷魔法を取得しました。残り3ポイントです。』
凄いですぅ。取得した瞬間に使える魔法が分かるように成りました。
水魔法 ウォーター リフレッシュウォーター ウォーターニードル ウォーターボール ウォーターランス
氷魔法 アイス アイスニードル アイスボール アイスランス
レベル1ですが全部使えるようです。MPを1使います。
ニードルとランスが同じMP消費量なのは何故かしら?
針と槍が同じ?謎ですね。
まあ良いです。使ってみましょう。
最初は名前を声に出して言わないとダメな様ですが、慣れると無詠唱で使える様になるようです。
剣で切り落とした触手にウォーターニードルを打ち込んで見ます。
まだ動くものに当てられる自信が無いので、切り落とした順番に打ち込んでいきます。
ニードルが当たった瞬間に触手が氷つきます。
でもこれだと暫らくしたら解凍されてしまい元に戻ってしまいそうです。ですので。
「キリナかササラ、どっちか鈍器でこの凍ったやつ叩いてくれないか。」
「「やります。」」
あれ?2人に即答されました。ビックリです。
2人はマリアの処へ行ってアイテム袋から出した武器を持って叩いています。
キリナの武器はトンカチです。武器?
ササラの武器は槌です。まごう事なき鈍器です。
「えい、えい。」
「この、この。」
なんか可愛い掛け声で力が抜けますね。困ったもんです。
でも一生懸命氷を壊してくれています。
頑張って~。
やっぱりこの状態の触手を壊すと倒した事に為る様で黒い霧に成って消えて行きます。
なんかアデイラが羨ましそうに見てます。
今にも鈍器を持って殴りかかりたそうにしてます。
ダメですよ、あなたが盾でご主人様を守らないとね。
頭の中で今 ピロリロリ~ンと音がしました。
レベルアップした様です。
淫獣、実は群体の様なモノなのでしょうか?
触手を倒すだけで経験値が入る見たいですね。
普通は倒しきった後に経験値が入るはずですが。
お得ですね。
キリナもササラもレベルアップしている様です。
叩き方が力強く成ってます。
地面が陥没するように成って来ました。そこまで力を入れなくても良いんじゃ無いかしら。
アデイラが羨ましそうに見てます。
あなたもレベルアップしたいのですか。そうですか。
「うんうん。」言ってますが。
でもダメですよ~。
ご主人様優先です。
そんな恨めしそうな顔をしてもダメですぅ。
淫獣、少しは小さくなった様ですが、まだまだ先は長そうですね。
淫獣戦はまだまだ続きます。




