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 14 スラム街に来ました。そして、怪獣大決戦?始まりまですよ。

遅くなりました。

 

 僕たちは今度はスラム街に来ています。


 第一城塞都市ハーセットの北東部の一画に寂れた街並みが広がっています。


 古くて隙間風が入る程度ならまだましな家で、壁の一部や窓や扉が無い家や屋根が一部壊れていて雨ざらしの家などが建ち並ぶ地区。


 そこに暮らして居る人々もうらぶれています。大人も子供もガリガリに瘦せていて不健康そうです。

 中には目だけギラギラさせている人もいますが。そう言う人は犯罪者か裏組織の見張りだそうです。


 今回は大所帯で来ているのでスラムの住人たちは警戒しています。


 クロさんとシルバーさん、勇者も居ます。

 警備兵長さんやガバナスさん、二人とも部下を沢山連れてきています。

 うちの五人、マリアやキリナ、クロエとアデイラ、ササラもいます。

 それに商会からハンナと料理ができる者を選抜して連れて来ています。所謂炊き出し部隊です。


 十分ぐらい進むと広場に出ました。さあ、ここで炊き出しを始めましょう。

 何が始まるのか気になったのか人々がパラパラと集まって来ました。


 先ず炊き出しの準備です。レンガやブロックを出してかまどの用意です。積み上げて大鍋が乗る大きさのものをいくつも作ります。薪を並べて火魔法で火を付けます。大鍋に水魔法でお湯をはります。出してみたら水魔法でお湯も作れました。


 現代ショップで紙袋に入った大量のお米を買います。

 お米をお湯に直接ぶち込みます。ホントは水からコトコト煮た方が、美味しいおかゆが出来るのでしょうが、今回はパスします。時間が無いんだよ。水分たっぷりのお湯がゆにします。塩味を少し付けます。


 スープも作ります、テーブルをたくさん出して、まな板と包丁、食材をテーブルに並べます。後はハンナに丸投げです。基本は塩味で付けて貰います。醬油とめんつゆをコッソリ置いておきます。勝手に使ってくれれば良いです。


 一応パンも山盛り出しておきます。硬い異世界パンにしました。本当は美味しい菓子パンにしたいけど、衰弱している所に消化に良くない物は止めた方がよさそうです。

 スープに浸して柔らかくして食べて貰いましょう。


 良い匂いに誘われたのか、わらわらと人が集まって来ています。


 出来上がったら配り始めて貰います。

 後の事はシルバーさんとハンナに任せて、僕たちは別の事をやりに行きます。


 広場を離れ、細い路地に入ります。

 迷路の様な薄暗い入り組んだ路地を、自信たっぷりに先頭を歩いて案内してくれているのは執事長さんです。

 

 目指しているのは、スラム街の裏組織のボスの隠れ家です。


 その事を侯爵さんに話した所、カレンさんがそれなら執事長を一緒に連れて行けば良いですよ。と軽く言っていました。


 どうやら顔が効くようです。


 二十分ほど歩いた先に他とは違いしっかりした作りの大きな建物が姿を表しました。

 執事長さんは正面の扉ではなく横の小さめの扉をリズムを付けてノックしました。

 すると、小窓が開いて執事長さんと合言葉を交わしました。

 小窓が閉められて暫くすると、正面扉が開いてガラの悪いごっい男たちを引き連れた老人が出て来ました。

 そして、「なんだいカーライル、大勢引き連れて来て,遂にあたしを捕まえることにしたのかい?」

 「冗談でもそんな事しようとは思わないね。ここの秩序が保たれて居るのはあんたのお陰だからね。今回来たのはこの御使い様があんたに話があると言うので道案内だよ。」


 執事長さんが僕を紹介して場所を変わります。


 前に出た僕に向かって老人が話し掛けてきます。

 「あたしはここの頭をしているイネスだ。あんたが今巷で噂になっている、商人枠で新しく来たとか言われている御使い様かい。」

 「シンです。シン・カガヤと言います。こんな所にも、もう噂が流れて来てるんですね。」

 「こう言う所だからこそだね。情報こそが命づななのさ。」

 「まあ、そうでしょうね。」

 「それであたしたちに何をさせたいんだい?広場で炊き出しなんかして、住人の機嫌を取ってるようだが?」

 「ぶちゃけて言えば。スタンピードの間、皆には避難していて貰いたいですよ。」

 「ここが狙われると?」

 「ええ、どうやら裏で企んでいる奴がいそうなんですよね。で、そいつが狙いそうな所がここと何か所か有って。まあ、ここが本命だと思ってるんですが。」

 「確かにこの場所は一番警備が手薄だからね。だが、即答は出来んな。」

 「いえ、直ぐに移動してもらいたいんです。」

 「ざけんなよ。直ぐになんか無理に決まってんだろ。」

 後ろの強面の男が威嚇して来ますが、構ってられません。

 イネスさんが手下を手で制します。

 「随分慌ててるね。そんなに・・・。」

 「ええ、一刻を争う事態なんです。多分スタンビードが起きたらここは壊滅でしょうね。まあ、ここが壊滅したらこの都市全部危ないですが。」

 「と、言ってもこの都市の中にこれだけの多人数を移動させる場所なんか無いだろう。」

 「あれ?第二城塞都市の話は入ってませんか?」

 「村の住人を避難させている場所の事なら聞いているが。あれはそんなに大きかったのかい?」

「お頭、見てきた斥候の話だと、何キロも城壁が続く、この都市に匹敵する大きさらしいですぜ。」

 部下がイネスさんに耳打ちしてます。

 「眉唾じゃ無かったのかい。」

 考え込むイネスさん。


 責任ある人ってのは中々軽々しく決断できないので困りますね。


 「そこに居るS級冒険者のクロさんとシルバーさんが作ったんで本当ですよ。住む建物も沢山有りますし。今ならタダで選び放題。」

 「クロとシルバー?えっ?ドラゴンの?」


 あれ?クロさんの知り合いなのかな?


 「ん?誰だお前、お前の様なばあさんに知り合いは居ないぞ。」

 「イネスだよ。忘れちまったのかい。」

 「イネスって言えば、こうボインボインでキュウってしまった腰のいい女だったはずだが。」

 「誰だって50年も経てば婆だよ。悪かったね。ふん。」

 「えっ?本当にイネス?北の魔女の?」

 「ああ、そうだと言ってるだろ。」


 周りでこそこそ話し声が聞こえて来きます。


 えっ?北の魔女って絵本にも成っている伝説の悪い魔女だよなあ、ああ、それにドラゴンて?どう言う事だ?


 マズイ情報がダダ洩れなんですけど。良いのかこれ?


 「イネスって確か魔力量半端なかったと思うんだが、あれぐらいあれば、1000年は生きられると思うんだが?」

 「ああ、あんた達と別れた後、魔力欠乏症に罹っちまったのさ。それでこの体たらくだよ。まあ、お陰で追っ手を撒けたんだけどね。怪我の功名さね。」

 「ふむ、それは一度シルバーに見てもらった方が良さそうだな。」

 「頼めるかい?」

 「ああ、今呼んで来るよ。」と言うと、飛び立つクロさん。


 この間に避難の話を進めておきましょう。


 「避難先の第二城塞都市を確認した方が話が早いと思うので、イネスさんと部下の人一緒に見に行きましょう。」


 そう言うと第二城塞都市の正門前に転移します。

 おおっ、とか言って驚いてるのを無視して、今度は城壁の上に転移して、領都ハーセット示します。5キロ離れていますが城壁の上からなら見えます。

 そして、第二城塞都市の紹介をします。北東側の部分を指示して、あの辺は好きに使って良いですよ。と説明して元の場所に転移で戻りました。


 イネスさんは決断してからは早いです。部下たちに命令を発します。馬車はこちらで用意すると伝えると益々早くなりました。

 実は馬車はもう手配して待機して貰っています。後はドンドン第二城塞都市に送り込むだけです。向こうの受け入れ体制もバッチリのはずです。その辺は丸投げですが。


 イネスさんも部下に丸投げで、実務的な事はタッチしないようです。避難はサクサクと勧められて行きます。


 イネスさんの家の前に居るのは、僕と勇者とガバナスさんとうちの5人の娘、マリア、キリナ、クロエ、アデイラ、ササラだけです。後は皆忙しそうに仕事に励んでいます。ご苦労様です。


 クロさんに連れられて来たシルバーさんとイネスさんは、話に花が咲いています。

 「本当に婆になってるじゃないか。あんなに自慢していた胸までしおれちまって残念だね。」

 「お前さんも背が縮んだんじゃないか?胸だけ大きくなって不自然だろ。アンバランスじゃな。」

 「「ぐぬぬぬ・・・。」」

 トゲ付きのバラの花みたいだけどね。

 仲悪いのかな?

 とか思っていたけど、診察はする様で、心配はしているみたいですね。

 建物の前に診察用のベッドを出してイネスさんを寝かせています。

 建物の中は今避難の準備で忙しいので外でやってます。

 手のひらを身体の上に掲げてスキャンする様に移動させています。その手がおへその下あたりで止まっています。

 

 「ここになんか居るね。かなりデカくなってるようだよ。」

 早く処理しないと命に係わるかも知れないから、今すぐやっちまった方が良さそうだ。とか言ってシルバーさんはイネスさんを建物の横の路地に無理矢理引っ張って行きました。


 イネスさんは抵抗している様ですが無駄みたいですね。


 「チョット待っとくれよ。治療はやっぱり移動が終わってからの方が良いだろう。って、何しようってんだい、無理、無理だからそんなの入らないから、ギャーッ死ぬ。広がっちゃうから、無理、ギャーッ。ガバガバになるーぅ。おふっ。・・・。きゃあ。癖になったらどうしてくれるんだい。えっ知ったこっちゃないですって、責任取りなさいよね。って、冷たい⁉な、な、何してんのよ。えっ?凍らせて動けなくして無理矢理引っ張り出す?触手が絡みついているから引き千切って出すですって。そんな事したら触手が残っちゃうんじゃないの?えっ?違う?引き千切るのはわたしの身体の方⁉。ギャーッそんな事したら死んじゃうから。大丈夫ポーションが有るから直ぐ治るですって。無理、無理だから。ギャーッ。」


 なんか不穏な言葉も聞こえて来ますが聞かなかった事にします。

 

 ぐでぐでになったイネスさんを引きずってシルバーさんが路地から出て来ました。右手に内臓の様な物体を持っています。あれが病気の元かな?


 みんなが注目していると、突然シルバーさんが「痛い!」と言って持っていた内臓を横の建物の壁に叩き付けました。


 その後シルバーさんはガクッと崩れる様に、手と膝を地面に付けてしまいました。

 

 心配したクロさんが素早く駆け付けます。


 シルバーさんの馬鹿力で壁に叩き付けられた内臓は、普通なら潰れて終わる所なんですが、何しろここはスラム街、ボロボロの壁を突き破って中に吸い込まれてしまいました。


 中からべちょっとかぐちょっとか不穏な音が聞こえた後。


 ボロ屋の壁や屋根を突き破って四方八方から触手が突き出てきました。


 「わおっ!怪獣大決戦みたいだ。スゲー。」


 ボロ家の窓や扉、壁の穴、開いてる所全てからぐちょぐちょの内臓がはみ出て来てます。


 多分シルバーさんを攻撃して魔力を吸収して巨大化したんだろうけど、デカくなり過ぎでしょ。これ!


 みんなドン引きです。


 特にうちの娘5人組には不評の様ですね。


 美少女と触手・・・はあっはあっはあっ、じゅる、涎が。


 あほな事妄想している場合じゃ無いよね。


 先ずはシルバーさんとイネスさんにエクストラMPポーションを飲んでもらいます。

 イネスさんには普通のポーションも飲んで貰います。

 戦力は多い方が良いですもんね。回復は必須です。


 ポーションを飲んだ途端イネスさんの身体が内側から膨張します。ボンボンキュウボーンって感じです。一気に若返りました。


 特に胸がはちきれそうです。


 僕の知り合いの中で一番の巨乳です。爆乳です!ご馳走様。


 ガン見していると、5人娘がジト目で睨んで来ます。

 5人娘には大変不評です。触手を見る目より怒気が強い様に感じるんですが、気のせいだよね。気のせい・・・。


 あほなこと考えている場合じゃないです。


 触手を倒そうとガバナスさんやイネスさんの部下が集まって来ますが、ここは良いから避難を優先してもらいます。

 どうせここは更地にしてしまうつもりだったので都合が良いです。

 見晴らしが良く無いと何かされた時、手遅れになりますからね。こいつを倒すついでにこの辺を綺麗にサッパリさせちゃいましょう。

 

 全員にサンクチュアリとバリアーを掛けます。

 サンクチュアリは魔法防御でバリアーは物理防御ですね。


 カーボンファイバーの盾を人数分出します。

 

 暫くは防御主体で行きます。住人の避難が最優先です。


 終わればやりたい放題です。


 クロさんとシルバーさんが居れば最終的には何とかなるでしょう。(チョットフラグぽいですが。)


 鑑定さんによるとこの触手、淫獣と言う魔獣だそうです。


 宿主に寄生して養分を吸い取り成長して、宿主の腹を食い破って表に出て来るそうです。


 結構育っていたのでいつ表に出て来ても不思議は無かった。かなり育ち過ぎだとの事です。相当宿主が優秀だったので居心地が良かったのかも知れません。


 さあ、淫獣大決戦の始まりです。


 3日目はまだまだ続きます。









 








 

お読みくださりありがとうございます。

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