05.魔術を使う
この世界の魔術はメニュー画面から選択し使用するか、発声を伴いイメージのみで使用するかの2つのパターンが存在する。
イメージによる魔術の使用はそのイメージ次第で、速度、威力、範囲、消費MP等に微妙な差異が出る。
イメージさえしっかりしていれば発動する代わり、敵に追われている状況等で明確なイメージが出来ていなければMPを消費するだけして発動しない。
大してメニュー画面からの使用は、イメージによって変動していたものは全て固定値となる。
画面の魔術使用の項に触れるだけで勝手に発動してくれる。イメージも発生も一切必要ない。
更に特定の状態異常下では魔術を発動できなくらしいが、メニューからの発動ではその影響を受けない、らしい。
大よそ性能を取るか、安定性を取るかといったところで差異が為されているのだろう。
自身の性分的にはイメージだけで行使するのが合っているようだ。
脳内で描いた弾道の通りに魔術の弾が飛んでいく。
イメージさえ確固としていれば、発声さえ必要ない気もする。
もう少し慣れたら、それも試してみたい。
魔術による戦闘を効率化する為に、【知力強化】と【魔力強化】のスキルを取ったせいで、スキルポイントがまたなくなってしまった。
【行動力強化】や【隠蔽】、【認識阻害】辺りが欲しいのになかなか取れない。
【隠蔽】と【認識阻害】の二つは消費が多いのでまあ仕方がないとしても、【行動力強化】あたりは早めに取っておくべきだったかと若干反省している。
しかし【風属性魔術】がLv.5になり待望の範囲攻撃も、【闇属性魔術】がLv.10になり【闇属性魔術】の攻撃手段も手に入った。
火力は着実に増している筈なので良しとする。
この階層でもそれなりに戦えるようになり、下への階段も無事に見つけたのだが、その前の通路が見事に蟻で埋め尽くされてる。大体20体くらいだろうか。
これを倒せれば、次に進む資格も充分にあると考えていいだろう。
蟻にギリギリ気付かれない距離から先制攻撃。
「〈ワールウィンド〉、〈ダークボール〉、〈ウィンドショット〉、〈ダークボール〉、〈ウィンドショット〉、〈ダークボール〉、〈ワールウィンド〉」
再行使待機時間の関係上、魔術の行使順が複雑になっている。
【同時発動】か【並行発動】があればもっと楽に魔術を使えるのだろうが、ないものはない。
こうやって複数の魔術を連続で発動する時はメニューから発動した方が簡単に思えるが、これは慣れだと思うので今は少し苦労しておく。
魔術を駆使して無事に撃破していたが、15体倒して残り5体となったところでMPが切れてしまう。
困った。
動きながらだとMPの回復効率悪いし、これぐらいの数なら逃げれない事もない気もするけどそれは負けた気がする。
回避するには問題ないし、やはり短剣を使うしかないか。
蟻の攻撃を回避しながら、短剣を持って構えた。
狙うは関節。胴の節、手足の節、手足の付け根。
節に沿って刃を滑らせる。
何が変わったかは分からないが、さっきより楽に斬れる気がする。
結局吸血の短剣で回復したMPを使って魔術を行使し、それほど苦労せずに一掃した。
少し手応えがなくなって寂しい。
そんな若干の侘しさを覚えながらも次へ進んだ。
クリア
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ダークエルフ・♂ 斥候 Lv.22
HP: 231( 231)MP: 10( 240)AP: 93( 250)
■称号
来訪者
狩人
――の祝福
時の女神の祝福
■ステータス
STR : 20
VIT : 1
AGI : 24(+13)
DEX : 35(+ 2)
INT : 12(+ 3)
MND : 12
LUK : 52
■スキル(残SP2)
【短剣Lv.11】【弓Lv.11】【投擲Lv.3】【二刀流Lv.3】
【闇属性魔術Lv.11】【風属性魔術Lv.7】
【敏捷強化Lv.13】【器用強化Lv.2】【知力強化Lv.3】【魔力強化Lv.4】
【不意討ちLv.8】【先制Lv.10】【急所狙いLv.11】【回避Lv.11】
【潜伏Lv.8】【気配希釈Lv.8】
【索敵Lv.11】【気配察知Lv.13】【鑑定Lv.7】【千里眼Lv.10】
【罠解除Lv.2】
【採取Lv.5】
【細工Lv.5】
■装備
武器 吸血の短剣 (初心者の弓)
初心者の短剣
頭 ――
腕 ――
胴 初心者斥候の布服
背 ――
腰 矢筒
脚 初心者斥候の革靴
他 皮製の指貫
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