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神のゲーム  作者: 石堀いるか
5/12

04.なんだかんだ攻略を進めてしまう

 狙いを定め、弓を構え、矢を番え、弦を引き絞り、矢を放つ。

 射った矢は寸分の狂いなく、暗闇に浮かびあがる赤い瞳に突き刺さる。

 稀に少しズレるが、その誤差を修正し反芻。確実に狙う。

 それを機械のように何度でも何度でも繰り返す。



 この階層に出現する敵は蜘蛛。

 蝙蝠ほど速くない、蝙蝠ほど多くない。

 しかし蝙蝠よりは硬く、蝙蝠よりは間合いがある。通常攻撃の威力も高そうだ。そして厄介な事に、毒や粘着性の糸で攻撃してくる。

 洞窟内の至る所に張り巡らされている蜘蛛の巣も鬱陶しい。行動範囲も射線も制限される。


 無心で矢を射る。

 敵を間合いに入らせず、毒も糸も出させず、行動を封殺する。

 洞窟内という直線の袋小路で壁を背に、敵が一定数しか出ないから出来る事だが、そこはゲーム。最大限利用させてもらう。

 行動力(AP)節約の為にも余計なスキルは使用せず、通常攻撃のみで敵を仕留める。〈飛ばしの矢〉を使用しても超低乱数一発、通常攻撃でも確定二発なのでこれが最も効率的だ。


 

 しばらくして蜘蛛との遭遇(エンカウント)が極端に減る。殆ど狩り尽くしてしまったのだろうか。

 どうやらこの階層ではもう効率的に狩りが行えないようだし、次に進むことにする。

 先程に比べて暗闇でも十分に周囲の把握が出来るようになった為、回収可能な矢は回収。リソースは切らさないようにする。


 下へ進む階段を探し彷徨っていると、宝箱を発見した。

 上部が湾曲した木箱に金具がついている、ゲームでよく見るタイプの宝箱だ。

 罠も仕掛けられているようだが、罠の種類までは分からない。

 折角の機会なのでスキル一覧から【罠解除】を取得した。成功率を僅かにでもあげる為、ついでに【器用強化】も取得しておく。


 頭に浮かぶ手順に従って罠を解除し、宝箱を開ける。

 鍵がかかっていなくてよかった。鍵がかかっていたら【解錠】も必要になっていたし、難易度もこれの比じゃなかったろう。


 中に入っていたのは貨幣が少しと一本の短剣。



 吸血の短剣

――――――――――――――――――――

 STR+2 AGI+1

----------------------------------------

攻撃命中時敵のHP、MP、APを極微吸収



 非常にありがたい。これで矢を片手に二刀流をしなくてもいいし、僅かでもMPやAPを回復できるというなら狩りが楽になる。控えめにだが敏捷(AGI)が上昇してくれるのも、現状心強い。


 こういった宝箱があるのなら、もっと丁寧な探索をすべきだったか。

 見逃していただけで、他にもあったかもしれない。

 まあ次からだな。今は階段を探そう。


 宝箱を見つけてから少しもしないうちに無事下に進む階段も見つかったので俺は先に進んだ。



 この階層、地下三階だったかな? ここに出現するのは身体が金属のような物質で出来た、一メートル大の蟻だ。おおよそ3体から5体、纏めて出現する。

 蜘蛛のように特殊な行動をするわけでもなく、純粋に物理で迫ってくる。



「……硬い」


 弓矢は愚か、短剣でも充分と言えるダメージを与えている手応えがなく、敵の数にも押されてジリ貧になる。

 火力を手数で補っていたのが、ここにきて裏目になってしまった。


 いや、元々死に戻り前提だったし死んでもいいんだが、ここまでくると最後まで見たくなる。

 全力で攻略してそれで死ぬのはいいけど、中途半端にやり残している事があると気になる。

 折角だし、攻略し終えてから自殺とかで戻りたい。


 何か新たな攻撃手段を獲得しようか。

 物理攻撃系は武器がないので却下。必然的に魔術だ。【闇属性魔術】は未だに攻撃手段を獲得できていないのでそれ以外になる。

 【光属性魔術】も【闇属性魔術】同様サポート系なので却下。

 気にするのもどうかと思うが、洞窟なので【地属性魔術】や【火属性魔術】は使い辛い。酸欠とか崩落とか怖いし。

 そうなると【水属性魔術】と【風属性魔術】の二択だ。

 これはどちらでもいいので好みの問題かな。


 【風属性魔術】を取得。

 後々AGI上昇効果のある魔術も覚えられるそうだし、現状のスタイルだとこっちの方があってそうだ。


「〈ウィンドショット〉!」


 蟻に向けて魔術を行使する。

 命中したが、相変わらず手応えはない。

 ……知力(INT)が足りてない気がする。

 INTに補正がある装備も持っていなければ、大してステータスを振っているわけでもないので当然ではあるのだが。


「〈ウィンドショット〉! 〈ウィンドショット〉! 〈ウィンドショット〉!」


 敵の攻撃を避けつつ、連続で魔術を行使していく。

 4発で敵一体が倒れてくれたので、そのまま魔術で残りの敵も倒す。

 短剣では4撃でも倒せなかったので、魔術に切り換えたのは正解な気がする。


 最終的にMPを限界近くまで使って、俺を囲んでいた蟻たちを掃討した。

 効率が悪すぎるな。

 隠れて極力戦闘を避けつつMPが回復するのを待ち、探索していくのがいいかもしれない。


 一階層に比べて、二階層は若干だが広くなっていた気がしないでもないので、恐らく階層を進むほど広大になっていくのだろう。この階層も前の階層より広くなっている筈だ。

 これから先も攻略していくならレベルは必要だし、蟻みたいな物理が効きにくいのを相手取る為にも魔術スキルもしっかりあげておきたい。

 これはこれでいい機会として、がっつり魔術スキルをレベリングさせて貰おう。


 取り敢えずは始めたての頃同様、隠密スタイルでいこうか。




 クリア

――――――――――――――――――――――――

ダークエルフ・♂    斥候 Lv.19

HP: 201( 201)MP: 29( 189)AP: 88( 218)


■称号

 来訪者

 狩人

 ――の祝福

 時の女神の祝福


■ステータス

STR : 18

VIT :  1

AGI : 22(+13)

DEX : 30(+ 2)

INT : 10

MND :  8

LUK : 49


■スキル(残SP3)

【短剣Lv.10】【弓Lv.11】【投擲Lv.3】【二刀流Lv.3】

【闇属性魔術Lv.8】【風属性魔術Lv.3】

【敏捷強化Lv.13】【器用強化Lv.2】

【不意討ちLv.5】【先制Lv.7】【急所狙いLv.10】【回避Lv.11】

【潜伏Lv.6】【気配希釈Lv.5】

【索敵Lv.10】【気配察知Lv.12】【鑑定Lv.7】【千里眼Lv.9】

【罠解除Lv.2】

【採取Lv.5】

【細工Lv.5】


■装備

武器 吸血の短剣 (初心者の弓)

   初心者の短剣

頭  ―― 

腕  ――

胴  初心者斥候の布服

背  ――

腰  矢筒

脚  初心者斥候の革靴

他  皮製の指貫

   ――

   ――


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