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転生者選定NO.  作者: 鈴明明書房
49/49

追放

表に出ないはずの黒歴史設定

Q ディーナってもしかして…

1873年前の預言者 カッツェ 彼が残した予言書第2章の頭


『 飽きた魔神 血鱗の竜 呪いの女帝 戦慄の灰獣 哭かぬスレイヤー 統べる忌み子 静かなる冥王 隣へ行く鬼  星を割る魔女  選定された種族の王


 10の生きた厄災に備えよ  

 

 怠れば明日を願う人は死ぬ、今日を生きる者は死ぬ 過去を懐かしむ存在は死ぬ

   

 厄災と希望は対 希望となる存在はいる その可能性を持つ者のはいつでもいる


 10の厄災を超えた先に、平穏の1歩が見える                    


 故に我は願う 10の厄災が現れる日を 

 故に我は祈る 10の希望が乗り越える日を  

 故に我は望む この書が不要となる日を                  』

 

 この予言書は現時点ですべて的中しており、今年は冥王が動き始める年である。

 予言書の的中率が100パーセントであることから、世界各国は備えを怠ることはない。 

 普段敵対している関係でも、このときばかりは停戦期間として足踏みはそろえるし、10年前より、本格的に対策を立てて行動している。


 そして、希望となる者はすでにいる。


 カイザル・センバス 男性 22歳 勇者

 冥王退治を命じられ、期待された現代の希望。 

 各評価 剣の扱い ◎ 魔法 〇 容姿に関する評価 ◎ 

 身分 中堅貴族の次男

 実力に申し分なしとサンバルニ王国の王は世界の宣伝している

 

 その仲間 


 タジム・ムーメイ  男性 37歳 初期メンバー

 サンバルニ王国で名を広めた冒険者 斧使い。盾役

 カイザルと互角に戦えた唯一の者。戦闘経験豊富 

 金も欲しい、名誉も欲しい 冥王倒してより名声を

 

 シドニアナ・■■■ 女性  79歳 初期メンバー

 魔法使いの頂である一世九魔に最も近かった魔法使い 

 いろいろやらかして、全盛期より力は落ちたが、魔法に関する知識と実力はパーティ1

 やらかしのせいで、見た目はギリ20代 

 全盛期の力を取り戻したい 愛も欲しい


 サロナ・サウナ 女性 21歳 初期メンバー

 ネスタル教 若手神官 ヒーラー  広報要員 

 口調は丁寧だが言葉足らず 表情硬め

 

 ナルザ・ハザミ 女性 18歳 追加メンバー

 社会経験してこいと強制的に投げ込まれた カニエビ王国 宰相の姪っ子 

 魔法剣士 マッパー 遊撃対応 器用貧乏 

 『万能ハイパー有能メイド』ハタリノ 『ドラゴンの皮をかぶった護衛』サザ 『親友』ミトリア 

の3人が後方支援として同行している。

 

 バキャル・アスファ 男性 31歳 追加メンバー  

 斥候・会計職  身軽さで囮役 カルバナ監獄の囚人 

 司法取引で協力中の自称義賊。 

 

 ワンオー・オー 22歳 追加メンバー

 剣士 剣だけでなく道具も使うタイプ。 器用貧乏役 ナッジャラの冒険者

 冒険者としては新人だが、将来性を見込まれている。田舎出身らしい。一行にも秘密のツテがある

 

 


 冥王退治のためにサンバルニ王国を出発した勇者一行。

 ライザの街 カニエビ王国、ナッジャラの異変を収めつつ、仲間を集め、名声も順調に集めていた。

  サンザ、エレガの森を超えた勇者一行は『右京』にたどり着く。そこで冥王退治の最初の山場となった冥王先遣隊シャジャマルとの一戦を迎える


 『刃埋平原の戦い』と呼ばれるこの一戦は6日に及び、名の残らぬ多くの侍の命を散らしながら、勇者一行が勝利を収めた。


 闘いを終えて3日後。国営を担うもの達の戦後処理は終わらないが、国民は日常に戻り始めた。右京のとある甘味処でも日常に戻ったのが見てわかる。そこに異質の空気を纏った人物が甘味処に訪れる。

 

 「ナルザ、話がある」


 「ふへ?」


 カイザルは表情を崩すことなく、ナルザに話しかける。カイザルの後ろには一行の面々。ちなみにナルザは右京名物『赤色おしるこ』を味わっている最中だった。危険な旅の中、楽しめるのが各国の名物を味わうこと。それがナルザのモチベーションとなっている。


「その実力ではもうこの旅は無理だろう」


 この空気でも租借が止まらないナルザにタジムは呆れた顔をしている。


「え~と、つまり?」


「足手まとい」


 ワンオーが淡々と言う。この発言と同時にナルザの箸が止まる。


 食べるのが終わったからだ。

 

 正直、前回の戦いはヒーヒーだった。何度も死ぬかと思った。否1人だったら死んでいた。


「私たちは勇者一行。キャーキャー言いながらみっともなく戦うのは面子や士気に関わるのよ」


 キセルをふかしながら言うのがシドニアナ。勇者一行。それだけで周囲の人々は期待する。羨望の目を向ける。名声や実績は支援を得るために必要不可欠。情けない姿を見せるのは論外である。


(だって、怖いだもん)


 そうは思えど、口には出さないナルザ。


「自覚が足りないです」


 神官サロナはいつもの口調で告げる。


「自覚……」


 ぶっちゃけ、ナルザには勇者一行の一員である自覚は薄い。もともとは上級貴族の第三子で実戦とも無縁の生活をしていた。上流貴族故の重責は、優秀な長男と姉にいっており、上の兄姉より劣っているという評価はその通りだと思っている。この旅もひきこもりにならぬように兄、姉以外の親族から強制的に参加させられている。


「いろいろ言ったが、君とはここで別れる。今後、足手まといをカバーする余裕があるとは限らないからな」


 カイザルは結論を告げた。


「ほ、本当ですか!やったー!」


 ナルザはつい本音を漏らす。


 ぶっちゃけついてけない何度もそう思っている。旅をやめたいと何度も思っている。あののんびりした生活に戻りたい。実家には冥王退治が終わるまで帰ってくるなと言われているが、足手まといとなれば別だろう。世界のためなら仕方ない。うん、仕方ない。

 

「あ……。その私の代わりはどうするんです?料理とかコネとか」


 なんだかんだ言っても上流貴族の次女。兄、姉には劣るものの顔は広い。学も脳と体に刻みこまれた。現状としてはハザミ家のネームバリューは勇者より大きい。その点を含めて勇者一行にいる状況だった。むしろナルザはそのためだけにいると思っている。

 

 が建前を言うには遅すぎた。一行の目線が痛い。


「その点については問題ない。彼が代わりに入るから」


 ここまで黙っていたバキャルが答え、見たことのある男が前へ出てきた。


「右京の大将軍の飾草 総座(かざくら そうざ)。その三男、三楽(みらく)といいます」


 三楽 20歳  武士

 槍の腕だけでなく、武将として、指揮能力、戦略、戦術についても身に収めている。

 家の格はナルザと同格。冥王対策とし右京の外交員も同行もしている。

 


「ありゃーそれは仕方ないですね」


 名を聞いて、自分の代わり、いやそれ上位互換となる存在が目の前にいる。そのことにナルザはくやしさをにじませることも、困惑することもなかった。カムバック自堕落な日々。さよならハードな旅路。その想いにより顔がにやついている。 


「早速相談なのですが、ナルザ様の部下の3人をお貸ししていただきたいのです」


「部下の3人?私に部下っていないけど?」


 首をかしげるナルザ。ナルザは一緒に同行している3人のことを部下とは思っていない。

 常時は無理でも、ときにはそのような関係で振舞わなければならないと兄、姉に言われているのもかかわらずにだ。


「ハタリノ殿、サザ殿、ミトリアさんの3人のことです」


「ああ。なるほ……ど?」


 家事、サバイバル能力、戦闘力、情報収集、知識、交渉力 私に厳しい以外はパーフェクトなメイドのハタリノ


 戦闘経験豊富なドラゴンの皮をかぶった護衛のサザ。なんで大型巨人に踏まれてもピンピンしているんですか?


 この2人はわかる。表立つカイザルの方が目立つけど、ハタリノも実力、活躍は劣っていない。どう考えても自分以上に働いている。そのため、自分がこの旅から抜けれなくなっているのも事実だったが。


 でもミトリアは? 幼馴染の平民。鍛冶屋の子 いろいろあって出会った今も付き合いのある親友。

危険なこの旅についてきてくれる親友。というかついてきた親友。そして、私以上に頑張ってない?そのため、私も頑張らないといけなくなった。恨んではいないけど、もっと気楽にいこうよ。と何度も思った。


「父上曰く、ミトリアさんには可能性があるとのことです」


「はあ?」


 首をかしげるナルザ。


「でもそれは私にじゃなくて、あの3人に確認を取ったほうがいいのでは?」


「あのお三方はナルザ殿の部下。ナルザ殿が抜ける以上旅を続ける理由はございません。なの……」


「失礼します」


「うわ!びっくりした」


 三楽の言葉を遮ったのはハタリノ


「……ハタリノ殿」


「三楽様。お話は聞かせてもらいましたが、3人を代表してお断りを言わせていただきます」


「やはり、そうなりますか。私としては、冥王退治までの間、ナルザ殿には極秘任務という形で安全な場所で生活してもらい、皆様には私たち勇者一行への同行をお願いしたかったのですが」


「なるほど。そういう形になれば、お嬢様は旦那様方などからの叱責もなく、世間からの目も気にしなくていいということですね」


「ええ!その通りです。ハタリノ殿のお力を世界のために役立ててほしいのです」


 視線を自分の主に向けるハタリノ。


「3人が希望するなら、私は構わないけど」


「私たちはカイザル様にではなく、お嬢様に付いてきたのです」


「落ちこぼれと呼ばれるナルザと勇者を同列に」


 ハタリノの目がタジムを黙らせる。


「なんです?その目は?私た」


 ハタリノと一触即発状態になったシドニアナを制する三楽。この空気におろおろとするナルザ。


「残念ですが、ここまでにしましょう。引継ぎはハタリノ殿とすませばいいですね?」


「う。うん、そっちのほうがいいと思う」


 こうして、ナルザは勇者一行を離脱した。




「これで、邪魔者はいなくなったな」

 

 ナルザは知る由もないが、彼女自身は勇者一行において、邪魔者とされていた。


 のんびりしている割には勇者一行の行動になんだかんだ口出しをすることが度々ある。

 勇者と同じく、剣、魔法ともに使えるが、最前線ではなく後方にいる。

 貴族としての生活のせいか、信仰心が薄く、金遣いがあらい

 

 それでも連れてきたのはナルザと一緒についてきた3人が思いのほか有能であったからだ。その3人はナルザの味方で、基本的に、彼女を肯定している。(ハタリノに小言をいわれていることはあるが) 関係を悪化させることはマイナスにつながるとカイザルは理解しており、露骨に心情を表すことはしないようにしていた。

 

 だが、ワンオーの加担でその関係は崩れ去る。


 彼は役割的にはナルザとかぶっており、ナルザとは異なり勇者心棒者であった。勇者を肯定し、ナルザの行動を逐一批判していた。ワンオーは貴族を嫌っている、勇者一行はそう認識していた。


 そして、今回の戦いを経て、三楽を加えるべきと主張した。戦闘面、後方支援ともに三楽ならそれ以上にできると。3人の代わりとなる同行員もいること。私欲のために動く貴族と、国の平穏のために戦う武将とでは覚悟が違うこと。それらをナルザ以外の仲間に説明しつづけた。


 勇者一行はワンオーの意見を受け入れ、ナルザを追放した。そのワンオーは次の戦場で行方不明となり、最終的に戦死者に名を連ねた。


A クノン「あれはエクバ(ナマクラ)と同類。女ならだれでもいいって見境いのない女」

 エクバ「そう?どっちかというとクノン(ストーカー)ににてると思うけど。本人の意向を無視しているところとか」

「「……」」

 2人がキャットファイトが始めたため、ここまでとします。


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