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転生者選定NO.  作者: 鈴明明書房
43/49

集い始める3

表に出ないはずの黒歴史

Q 転生条件NO6の詳細は?

「えっと。いろいろおしえてく、ください。お願いします。」


 つまってしまった。こういうところは治らないのかなあ?


「いやいや、こちらこそよろしくお願いしますのう。イチカ殿。」


「よろしくね。ウーじいちゃん。」

「お願いします。」


 エクバ、ラズも歓迎のあいさつ。クノンも無言で頭を下げていた。


「にゃっはー。勇者一行の先輩である私になんでもきくがいいなあああああ」


 いつもの調子のギユはクノンにしっぽを引っ張られる。最近はクノンがギユのしっぽを引っ張って抑ええむことが多いのよね。


「ほっほう。よろしくのう、ギユ殿、」


 ウー老師様、、、老師って言葉を素で使う状況・・・異世界って思うのは変かなあ?老師は微笑んで応じてくれた。いろいろ考えるところはあるけど、ギユやクノンのように決意は固いように見えるので、これ以上はぶり返さない。


 この様子をエムニアさんも微笑んみている。すっかり、エムニアさんのことが置いてけぼりになっていた。協力をお願いして放置って怒っていないかな?


「エムニアさん、待たせてごめんなさい。」


「いえ。話を進めてください。」


 首を振るエムニアさん。怒ってないはいないので安心する。


「それで、ミニアド、あのイカ退治の方針は?」


「そうね。イチカ、なにが必要か思いつく?」


 ミニアドに質問を質問で返された。これも私の成長のためなんだろうけど。戦う場所は海。魔物は大きいイカとその主。出てくる他の魔物。


「えっと。まず船。あ、私たちが戦えるくらいの大きさが必要・・・・。そうなると船員も必要になる。うーん。あとあの主と戦うために接近する手段?足場かな?それにクノンやラズ、エムニアさんたちの使う銃の弾がいっぱい。かな?」


「まあ、そうね。」


 とりあえず、ミニアドの及第点には達したみたい。ふう。


「あとは装備。特にイチカとエクバは全面見直しね。」


「装備?どういうことラズ?」


 私とエクバ?剣じゃなくて弓とか杖にして遠距離戦に対応させる?違うよね。


「今の服装で海に落ちたらどうなる?」


「・・・・・溺れる」


 今の私なら泳げないこともないけど、泳ぎ続けるのは無理。つまり、それを考慮した装備に変えるってことね。


「つまり、ここでアレを!」


 エクバの目が輝いた。あれ?なんでだろう、もも君の部屋に脱ぎ捨ててきたあの下着を思い出す。あれを買うときの友達とのやりとりを思い出す。嫌な予感がする。


「まあ、そうなるわね。」


 呆れた目をするミニアド。


「具体的な策はどうするんじゃ?特に主への接近するための策は必要じゃろ。」


 話題がそれそうな雰囲気だったが、ウー老師の言葉でミニアドの表情も戻る。


「海面を凍らすしかないかなと。それであの脚を封じつつ、足場にするしかないかなと。」


 はあ。それなら足場は多少滑るかもしれないけど、接近はできる。さすがミニアド。


「それ、あなた1人の魔力持たないでしょ、ミニアド。かといってイチカにその役目を任せるわけにもいかない。それにあの水撃を防ぐのが私だけになる。船が守り切れないわよ。」


「なのよねえ。だから協力してくれる冒険者を探す必要もあるわね。」


「それだと、今度はお金がかかる。」


「ええ。準備がそろうまでの間、イチカ、エクバ、ギユ、クノンはクエストで資金稼ぎと老師様からの修行。がっちり鍛えてください。」


「ふむ。任せなされ。」


 にこやかに頷くウー老師。「私も?」と驚いた表情のギユは無視されている。


「私とラズで協力してくれる船、装備品、道具などの準備ね。エムニアさんもこちらの協力をお願いするわ。」


 『討伐まで船の往来を停止するように』とミニアドはすでにここの港から海に関する人たちへの伝達を頼んでいる。


「それはわかりました。ですが1ついいですか?」


 今まで意見を聞いているだけだったエムニアさんが小さく手を挙げる。なんだろう?


「この島では鉱石などを手に入れたりすることはできますか?」


「? この島『ラウラウ』はリゾート地として有名だけど、同時にこの島だけで手に入る鉱石や素材などもあるわ。」


 不思議そうにしてミニアドが答える。


 この島は世界有数のリゾート地。人の割合はバカンスを楽しみにきた人とそれを商売としている人が6割。残り4割は冒険者と職人。冒険者はリゾート地としての環境を維持するために魔物退治。職人からの依頼で素材集めなどをこなす。などがお仕事。職人は自分の目で素材を選び、自分の手で素材を入手し商品をつくる。ってミニアドが言っていた。


「なら、海を凍らすより負担のない策を用意できるかもしれません。ただ、そのためにはウー老師の修行とは別にしてもらうことがありますが。」


 エムニアさんは空中からタブレットをさも当然に取り出した。魔法ではないのは私でもわかる。


「どうなっているんにゃ、これはなんですにゃ。ぐにゃつ。」


「無視して話を進めてください。」


 騒ぎ立てるギユのノドを突いたミニアド。


 エムニアさんはタブレットを操作すると今度は立体映像が浮かぶ。私の知っているタブレットでもない。ウー老師はタブレットに驚いている様子はない。ウー老師は私と似たような世界から来ているのかも。


 私がそんなことを考えている間、エクバたちは立体映像に注目していた。


「これなら、ミニアドの負担も減るわね。」


「そうね、ラズ。これを考慮した対策を考えるわ。エムニアさんも協力をお願いするわ。」


「わかりました。」


「ならあとは装備だね。イチカのは特注でデザインはこの私におまかせあーれ!」


 立ち上がったエクバの目が輝いている。え?


「まあ、そうなるわね。腕とオシャレの両立する職人をさがせばいいかしら?」


 ミニアドの言葉で皆の目線が私の首の下あた、ひい。反射的に腕で胸を隠す。エクバの目線がとっても厭らしい。ウー老師だけが首を逸らしている。


「それなら、私の出番っすね!」


 突如大荷物を背負ったもった女性が私たちの目の前に現れた。ウー老師はこの女性に気づいていたんだ。


「「「誰?」」」


 私、エクバ、ギユの言葉がはもった。本当にだれ?


「勇者イチカ様っすね?」


「あ、はい。」


 私たちの驚愕なんておかまいなしに、私の前に移動した女性。


「役目持ちの1人。『専属工房』のワルティード・グリトディっす。ルティと呼んでくださいっす。」


 なぜか敬礼をしている。・・・・役目持ち?エクバ、ミニアド、ラズと同じ?




 私は今、過去最速の速足であるお店へ向かっているっす。


 おっと、まずは自己紹介が必要っすねええ。私の名はワルティード。グリトディ。愛称はルティ。種族は美形多しエルフ。年齢は520歳。まあ。エルフの中じゃあ若手っすね。


 職業は鍛冶師っす。そう皆が想像する剣やら鎧やら、斧や弓などつくる。それはそうっすけど、私の場合は服の裁縫や火薬や薬なども作ることができっるす。つまり私はハイスペックって奴なんすよ。あ、器用貧乏って思ったすね。


 ふっふっふっ。私にもそんな時期ありましたが、残念ながらもう終わっています。


 なぜなら、私は『専属工房』の役目を持っているからっす。


 これは勇者の仲間である役目持ちの1つ。勇者様の武器から防具を作成する存在っす。それこそ剣、や斧、鎧に髪飾り、上着に、下着まで、なんでも作るっす。まあ、『勇者の指針』同様、後方支援的存在っすね。


 その『専属工房』選出の役目を持つのが世界一の鍛冶大国『ガムニラ』。ガムニラでは多種多様の鍛冶師が日々切磋琢磨し、よい武具を生産しているっす。そして、ガムニラ一ひいては世界一の鍛冶師と呼ばれても過言がないのが『専属工房』の役目を請け負うことっす。


 私も長年の努力が認められ、やああああああああああああああああっと、この栄誉をつかむことができたっす。過去に勇者様に助けられ、今度は手助けできる立場になろうと決意してから数百年。何度かその機会はあったけど、『専属工房』になることはできず、涙を流してきたっす。けど、ようやく夢も叶ったす。うっひゃっほーい。


 ん?伝説の武具?過去の勇者が使っていた武具?それらを探して使えばいいんじゃない?なーにを言ってるんすっか。


 確かにそれらの眠っている場所や置かれている場所もあるけど、残念ながら、武具にも使い手にも波長ってのがあるっす。ようは合う合わないっすね。それに体格の存在。体格に合わせて大きさが変わる武器なんて現実にぽんぽんとあるはずないっす。君たち、空想と現実の区別はつけましょうっす。


 結局合わないものを持ったところで、戦力は半減っすね。


 勇者様も加齢で成長し、訓練で成長するので、身体も変わるっす。現状に合わせて、防具は微調整する必要もあるっす。武器にしたって、手入れは必要。伝説の武具という言葉で安堵して手入れを怠った結果、悲惨な目にあう。これ常識っすよ。


 とまあ話はそれたっすけど、私がなぜ速足なのかっていうと、なんと私がいる『ラウラウ』に此度の勇者様が来ているからっすよ。それはテンション爆発っす。その前になぜ私がここにいるかってすか?


 私はここで勇者様のためにいろんな素材を集めにきたわけですよ。『いい素材は待ってもこない』ってのが私の師匠の言葉っす。


 『専属工房』として恥じぬようにやれることはしないとって訳っす。


 海にダンジョンが現れたので勇者様一行が『ラウラウ』の港に到着したというのは、ガムニラの諜報員さんから教えてもらったっす。


 こうなると海戦、水中戦用の装備が必要になるっす。想定より早いですけど、私の出番って訳っすねええ。


 諜報員さんから、勇者一行の容姿や居場所は聞いていたのでそこに向かっていたっす。


 そして、お店の片隅に胸板の厚い戦士のいる卓を発見。聞こえてきた会話はやっぱり新装備が必要という内容。


「それなら、私の出番っすね!」


私も現時点から勇者一行っすね。うおおおおお、燃えてきたっす。この熱さで剣が打てそうっす。


A ウー老師や風矢(覚えている?)と同じ世界の住人

   奈々月 奈々(ななつき なな)

  メガネでスレンダー。昔から早とちりからの暴走で周囲をさわがせ、一呼吸落ちついたところで、本来持ち合わせる賢さで周囲を落ち着かせた。賢さを性格でいかせきれなかった女性。

  死因は 逆恨み。

  って人物だ~よ。ひひっ。


  

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