集い始める。
表に出ないはずの黒歴史設定
Q ウリアルの斧の名前は?
「ぎにゃああああああああ。」
「落ち着きなさい。今助けるから。」
落ち着けって言われても~。姐さん。今、私は空中を飛んでいるんですよ。ただ飛んでいるとはいっても、自力でないので正確には飛ばされている状況なんですよ~。にゅ?意外と冷静、私?
なんでこうにゃったんだっけ~
船で次の目的地に向かってる最中に大型魔物と数十匹の魔物と遭遇。大型魔物は帆船サイズで人なんてぶった切れるハサミと10本あるゲソ、あとなんか貝のような兜のようなもんが頭部を覆っている。ヤドカリ足すイカのような魔物。
なんでこの海にこんな大きい魔物がいるんですか。この付近じゃあ帆船サイズの大きさの魔物はいないはずにゃのにぃい。
この船にも戦闘要員にはいたけど、ここまでの大きさには対応できなかった。すると必然的に出番はわれら勇者イチカ率いる勇者一行。
だけど、船の上にいる状況ではこっちが不利だっにゃ。その結果がこの状況。ん?あれ?ヤドカリイカの頭部。船からじゃ見えない位置にあるあれっって。うっそでしょーーーーーー。
「ええええええええ。あねさーーーーーーーーーーん。」
と叫んだけど、ここで落下が始まった。にゃーーーーーーーーーーーーーー。
「落ち着きなさい。今助けるから。」
と飛んで行ったあの駄猫には叫んだけど、聞こえているかしら?どっちにしろ、この状況はまずいわね。
まずこのメンバーでの海上戦が初めて。初めてなのでそれは仕方ない。ただ最初の戦闘でこのような魔物なのになるのは想定外。運が悪いのかしら?それとも疫病神?
小型魔物はこの船の戦闘員が対応してくれるけど、問題はやっぱい大型魔物。
この海域には出ない大きさでしかも強い。船乗りたちの話だと大型小型ともに見たことのない新種みたい。どうやら、近くにダンジョンがあると考えたおうがいいわね。
その大型の魔物。ヤドカリもどきが船を壊そうとあの脚を伸ばしてくるので、私とラズで防ぐ。正直私とラズはそれで精一杯。イチカ、ギユ、エクバが伸びてくる脚に攻撃するも、多少のダメージはすぐさま再生回復しているので決定打にならない。
クノンが顔に攻撃を試みるが、脚やハサミでふさがれる。何度か顔に命中するも決定打になっていない。せめてもっと接近して、イチカ、エクバが顔に攻撃できればいいんだけど、向こうもそれを理解しているのか、近寄ってくる気配がない。この魔物は慎重というか、理性的。
私の魔法で攻撃してみようと思ったが、有効打にもならないのも予測がついてしまう。
「ええええええええ。あねさーーーーーーーーーーん。」
っと、まずはあの駄猫ほうか。ん?落ち始めたあの駄猫がヤドカリもどきの頭部を指さしている。
なに?
「ミニアド!」
「え?あっ・・・・・・・・・・・。」
ラズの叫びが耳に入ると同時に衝撃が私を襲い、そのまま視界がグルグルまわっ・・・・
気づくのが少し遅かった。
「ミニアド!」
飛ばされたギユに視線を向けてたミニアドがイカ野郎のゲソに吹き飛ばされた。そのまま甲板を転がり、頭をぶつけたのかぐったりして動かない。まずい!気絶?脳震盪?どっちにしろ無防備だ。見えているのか、感じ取っているのか、あのゲソがミニアドに伸びる。捕まったら、絞られるか、海に引きずり込まれるか。
「イチカ、クノン!ミニアドを!」
2人はすぐさまミニアドを狙ったゲソに攻撃。本当は私が近寄って確認したいが、それだと船が無防備になる。
狙ったかのようにさらに2本のゲソが海上より現れる。このままじゃ手が足りない。
「野郎ども、今度はこっちだ。」
「「おお!!!」」
船の戦闘員が駆けつけてくれた。だが彼らでもゲソに攻撃するだけでこのままじゃあジリ貧になる。
討伐は現在の戦力じゃ無理。となると取る手段は1つ。
「隊長さん。船長にスキができたら、全速でこの海域を離れるように指示。今の戦力であれの討伐は無理ね。」
「うむ。そのようだな。っとまた小型の魔物がでてきたな。すまんが大型は任すぞ。」
敵が増えても隊長が冷静なのは正直助かる。
「船長に今のことを伝達。こちらの状況を見逃すなよってこともな。」
「は、はい。」
1人の戦闘員が慌てて船長のもとへ。脱出の算段はついたが、問題は1つそのスキを作れるかだ。あれ?その前にギユの声が聞こえないわね?もうそろそろ、うすい防壁を重ねて落下の衝撃を軽減しようと思ったんだけど。
上空を見上げる。ギユは?なに?あの黒いのは?
「おい、危ないぞ。」
「っち。」
影に覆われたと思うと、ゲソが叩き付けてきた。防壁でなんとか防いだが。これじゃあ、スキを作るどころではない。このクソイカ野郎!
っち。本当にまずいわね。汗を感じる。背筋に嫌な予感を感じる。それらがより一層焦りを実感させてくる。なんとしても船を。最悪でもイチカは守らないといけない。
「お手伝いいたします。」
「わしも参加させてもらおうか。」
2人分の声が耳に入る。
姉さんは頭上からの攻撃を防壁で防いでいた。そこへ脚2本が海面から飛び出てきた。このイカは嫌なところ、嫌なタイミングで攻撃をしてくる。今の状況だと姉さんがやられる。
「イチカ、こっちお願い。」
ミニアドの守りを私のイチカにお願いして、私は海面から出た脚に狙いをつける。2本、間に合う?そう考えたとき
「わしも参加させてもらおうか」
「お手伝いいたします。」
声の主は小さいおじいさんとナマクラが鼻の下を伸ばすのが決定的な女性だった。
「いやああっ!」
おじいさんは体を回転させ、姉さんを襲っていた脚を蹴り飛ばした!船の上とはいえ、天使イチカやナマクラでも弾き飛ばせていなかったのに。何者なのあのおじいさん。そのまま小型の魔物も次々弾き飛ばしていく。
女性のほうは宙に浮いてる2つの盾?の中から銃器・・・あれってガトリングガン?盾に収納されていたガトリングガン2丁を抱えた女性。私ではどう考えても片手で持つことができないガトリング。それを片手に1丁ずつしかも、重さを微塵も感じさせないように持つ女性。魔力は感じるが魔法や祈りじゃあない。原理不明の力で浮いている盾のおかけなのかもしれないけど。
ズガガガガガガガ!!!
爆音とともに盾の銃器から銃弾が放たれる。銃弾は海面から出ていた2本の脚をみるみるうちに穴だらけとしていった。今までの点や線とは異なる面での攻撃は相当効いたらしく、イカが怯む。
「猫人さんも救出しています。」
ポカンとしたギユを乗せた盾が上空より降りてきた。
突如現れた小柄なじいちゃんと謎の美人のおかげでラズとギユは窮地から救われた。ふへっへ。あっとあのミニガナーが鼻の下を伸ばしていると思っているんだろうな。そのとおりだけど!美人に対して鼻の下を伸ばさないほうが失礼ってもんだ。
確かに乗船したときあの美人は見た記憶がある。あのときはマントで全身を覆っていたが、私にはそれでも分かった。スタイルがいいってことも。そして今、マントの下から見えたボディはマイエンゼル・イチカとは異なる魅力にあふれていた。
ただそのとき不釣り合いな棺桶は近くにはなかった。
その棺桶で吹っ飛ばされていたギユも回収している。なにあの棺桶、便利すぎない?
「剣士殿、お仲間とあの者が気になるのわかるがよそ見は危険じゃのう。ぬん!」
助っ人じいちゃんは新たに出てきた脚を殴り飛・・・違った。両手で押し込んだと思いきや脚は破裂した。こっっちのじいちゃんもすごい。なにそれ?
「ふむ。しかしこれではキリがないの。」
甲板に着地したじいちゃんは困り顔をしている。先ほど美人さんによって粉々になった脚もじちゃんが破裂させた脚も徐々に再生してきている。
この脚の再生能力は半端ないものなんだよね。私やイチカの斬撃もみるみるうちに治っていたんだから。
「脚より本体にダメージを与えれればいいんだけど、じいちゃんできる?」
「このイカだけなら倒せるかもしれんが、今の状況だと微妙だのう。」
「イカだけ?」
イカ以外になにかいる?小型魔物の増援?あら本当だ。またウミヘビみたいと毛玉みたいのが出てきた。
「どうする・・」
「姉さん、姉さま、あ、あれ、ダンジョンです~。」
じいちゃんの声を遮りギユの叫びが耳に入る。ダンジョン?
「姉さん、姉様、あ、あれ、ダンジョンです~。」
浮かぶ箱から降りたギユは慌てふためく。飛ばされはしたけど、大けがはなさそうで一安心。してる場合じゃないよね。また魚人が出てきた。
「あ、頭にあの魔法陣があって、三俣の槍を持った魔物があの頭部にいました。たぶんダンジョン主です~。」
あのヤドカリがダンジョン?一番詳しそうなミニアドは気を失っている。なので私はエクバの方を見るが彼女は首を横にふる。生きたダンジョンの話は聞いたことはないのね。でもダンジョンだから小型魔物がキリなく出てくるのかもしれない。
「このまま挑むのは危険ね。撤退するわよ。」
最速の判断をしたのはラズ。私も迷わずにうなずいた。
「じっちゃんに嬢ちゃん。どでかい一撃をあのイカ野郎の顔に叩き付けて撤退したいんだけど、そんな手段ある?」
ラズは助けに入ってくれたおじいさんと箱使いさんのほうに尋ねる。
「今の私にはありません。」
「ではわしがやろう。」
箱使いさんは首を横に振り、おじいさんは両肩を回しだす。
「ただ、放つまで少し無防備になるんじゃが。」
「そう。」
ラズは少し考え込む。
「盾の嬢ちゃんとクノンはあのハサミに攻撃。エクバ、イチカ、脚に迎撃。ギユはミニアドを船内に。隊長さん数人をじっちゃんの護衛にあてて。あと船長への合図も忘れないで。」
「「おおお!」」
「行くよ、イチカ。」
ラズの指揮に戦闘員さんたちが声を上げて応じる。私もエクバに促され、新たに飛び出した脚に向かっていく。
「っと。盾の嬢ちゃんに1つ聞きたいことあるんだけど。」
ラズは箱使いさんになにかを聞いている。ラズの目線は箱?うわああ。目のある毛玉が針を飛ばしてきた。私は針を剣ではじいて目を真っ二つにすることができた。ふう、危ない危ない。
どうも頭をぶつけたみたいで、姐さんは僅かながら血を流している。意識はないけど、呼吸も脈もあるのでそれは一安心。にゃ、安心している場合じゃにゃい。姐さんを背負った私の前に、ヘビが舌を伸ばしてこっちを狙っている。無防備になった私たちを狙うなんてあの主のせいか。魔物ヘビの攻撃を戦闘員さんが防いでくれた。
「お、おねがいしにゃーんす」
戦闘員さんに頭を下げて、私はせっせと船内に姐さんを運ぶ。運び終えてその入り口に立ったタイミングでクノンの姉御はライフルを腰のホルダーに仕舞い、変わりにスカートを取り外した。あ、あれは!・・・・・・なにやってるんですか?
姉御はスカートの内側を仰向けにして甲板に置き、スカートに手を当てる。するとえーーとあれは・・・そうだグレネードニャンチャー。ん?なにか違ったような。まあいいにゃ。そのニャンチャーがスカートから浮き上がってきた。
あのスカートは傘立てならぬ8丁分のニャンチャー立てだったんですか。にゃあ。姉御の服装にはまだまだ秘密がありそう。・・・・魔王を倒した後の世界で売れそうだにゃー。
そんなことを考えたとき
姉様の号令とともに爆音が響き渡る。姉様は祈りでなにかを強力にした2丁の拳銃。盾操作の姉さんはさきほどの銃器。クノンの姉御は取り出したニャンチャー。戦闘員の人も矢なり火球。それらを一斉にダンジョンイカに撃っている。
姉さんも氷華閃弾で攻撃している。 命名者姉貴のあの技は、剣先に魔法で氷塊をつくり、右片手突きで押し出す攻撃。魔力だけでの攻撃力が大して強くない姉さんは、プラスアルファで攻撃力を増すように工夫している。突き出すのもそうだし、あの氷塊は大気の水分を纏いは大きく鋭くなるんだって。でも何度も同じ動作をするのはしんどいって表情に出てきているにゃ。
隣の姉御は次々と撃ち切ってはニャンチャーを取り換えている。あのニャンチャーは堅そうなハサミにも効くくらい威力はあるけど、弾数が少ないんだにゃあ。今度はあの主っぽいやつのいた場所に撃った。
ハサミに弾かれた弾などで水しぶきが上がり、ヤドカリイカの顔が見えない。しょぱい~。ここまで飛んできたにゃ。他の脚の動きが止まっているの効いているとは思うけど、倒した雰囲気はない。あれ?あの超強いじいちゃんは?
「どおおおおああああああああああ!」
じいちゃんの声は上空からだ。視線を上げるとあ、あれは、私を助けてくれた箱、なんにゃああああああああ!?
魔法じゃないなにかがじいちゃんより放たれた!!!!
「弾切れ考えず、撃って撃って撃ちまくれ!!!!!」
異世界であることを鮮明に思わせれくれる赤い修道女?殿の指揮により、銃撃や、魔法とやらが化け物イカに放たれる。
その間に儂は修道女の指示により、宙に浮いてる盾に乗った。どう浮いてるのかは分からんが音も振動もほとんどない。この盾とその盾を操作する盾使い殿はこの世界では異質。恐らく儂とはある意味同類か。
ただ、決定的に違う存在でもあることを、他の者は気づいていないように思える。外見はお嬢さんだが、中身は儂らや、あの魔物と飛ばれる存在たちとも違う。
まあ。それはいい。今はするべきことをしよう。盾使い殿はワザと海面にあててど派手な水しぶきを立てている。これにより儂と盾を隠している。化け物イカも気付いていない。
そして、あれが主とやらか。槍を持った主のほうもこちらには気づいていない。では遠慮なく攻撃させてもらおう。
儂は盾の上で肩幅まで脚を広げ、僅かな凹凸に足をひっかけ踏ん張りを入れる。そこから氣を集中させ高めながら、化け物イカの頭部と主を見据える。
あのサイズの存在にダメージを与えるとしたら、氣を相応にためなければならない。単独で行うとしたらその間はスキが多くなる。が、この状況なら溜めることに集中できるので、素早く行える。良し!
「どおおおおああああああああああ!」
永闘流 『覇鐘』
動作は基本的な右手の前突き。その動作で拳から打ち出された氣が化け物イカと主を捉える。ふむ。この世界でも氣は通じるようだのう。
「撤退!!!」
修道女殿の声の反応して、船と盾が動き出した。
このとき百次は10人連続失敗で『見方を変えるか』と考えていた。
A 断人業斧 デスト
斬ってよし、叩いて良しの一級品だよ~




