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「どういうこと?」
「私はシステム開発者の思考を元にプログラムされています。私に与えられた命令は、街を発展させ続けること。そのために、いろいろな試行錯誤を繰り返してきました。生まれた赤ん坊を、最も能力の高い人間に育てられる両親に預ける仕組みも、そのひとつです」
陽子が言ったのは真実だった。
父さんと母さんは、僕の本当の両親じゃなかったのかもしれない。
「今まで、街は順調に規模を拡大してきました。しかし、ついに成長は鈍り、人間たちの平均能力は下がり続けています。そこで私は、新しい方法を考えついたのです」
「新しい方法?」
「はい」
エデンの声の調子は落ち着いている。
「エデンの発展に役に立たない人間を切り捨てるのです。そうすれば、資源は確保され、能力の高い人間だけが残り、街は今までの限界を越えて、さらに発展していくでしょう。エデンの市民権を取り上げられた人間たちが、結束して街中で暴れださないよう、数を調整しながら実行しています。あなたはエデンを追放される者に選ばれたのです」
「僕が…役に立たない…」
「はい。あなたの能力は、もう成長が望めません。あなたはエデンにとって、何の価値も無い人間なのです」
僕は呆然とした。
エデンは僕を無価値と判断したんだ。
残酷だけど、それが答えだ。




