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「またエデンの中に直接、忍び込んで、特別な端末からメインシステムに侵入するわ。ついでに、あなたが知りたがってた『何故、エデンが自分を拒絶したのか?』を調べましょうよ。いっしょに行くでしょ?」
陽子の提案に僕は頷いた。
僕にとっての核心に、いよいよ迫るときが来たんだ。
次の日の深夜。
僕たちは下水道から、エデンに侵入した。
古い大きな施設の片隅にある、小さな部屋で、陽子はノートパソコンと旧式の、やたらと角張った端末をケーブルで直に繋いだ。
「結局、最後はアナログが役に立つってあるよね」
陽子がニヤリと笑った。
「エデンの初期のネットワーク端末から侵入してくるとは思ってないはずよ」
陽子はノートパソコンを操作しだした。
「よしよし。侵入完了。これでエデンと話が出来るわ。会話が終われば、その記録は全て消失するようにしてる。ウィルスは最後に仕掛けるから、早めに済ませちゃって」
僕は頷いて、ノートパソコンの前に座った。
「セティくんが私以外と繋がってると、何だか妬けちゃう」と陽子。
僕は苦笑いして、肩をすくめた。
ノートパソコンに「エデン」と呼びかける。
「はい」
エデンの人口音声が返事した。
「どうして、僕はエデン市民ではなくなったんだ?」
「あなたは誰ですか? 個人データを教えてください」
僕は自分の情報をエデンに教えた。
「あなたがエデン市民権を剥奪された理由は、この先の貢献度が低いからです」
「え…」
僕は一瞬、絶句した。




