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陽子との生活で分かったのは、彼女はすごく楽観主義で積極的で過激だけど、けしてイカれてはいないってことだった。
この2ヶ月に関して言うなら、彼女は僕に対して、本当に誠実で優しかった。
僕は陽子といっしょにガラクタ山の各所にある、追放された人たちのコミュニティや市場に行ってみた。
そこではエデンの恩恵を失った、思ってたよりずっと大勢の人たちが、不便ながらも古いスタイルに戻った生活を、必死に生き抜いてる姿が間近で見れた。
その人々の中には、僕が疑ってた「エデンの家族はデータに基づいて決められている」という陽子の言葉と、全く同じ話をする人も居た。
僕の価値観は大きく揺らいで、今まで当たり前に考えていたエデンでの常識が、何だかひどく虚ろで、ごまかしに満ちたもののように感じられてきた。
逆に陽子は、両足がしっかりと地に着いたサバイバーに思えてくる。
しかも彼女は、ただのサバイバーではない。
エデンの牙城を崩壊させる可能性さえ秘めた天才なんだ。
僕がエデンに拒絶された直後に彼女と出逢えたのは、本当の本当に幸運中の幸運だった。
もしも、僕一人でエデンから、ここに来ていたら。
こっちの世界の悪人たちに、あっという間に殺されたかもしれない。
実際、この2ヶ月の間に2度、そういう奴らに襲われて、陽子が銃や小型の虫型リモートロボットを使って撃退してくれた。
僕一人なら、何も出来ずにオロオロするばかりだったろう。




