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「3年前だったかな? あの頃は私も青かったなー。エデンのシステムを調べるためにハッキングを繰り返してたら…ヘマをして、正体がバレたの。それでエデン市民じゃなくなった。で、逮捕される前に、こっちに逃げてきたわ」
「君は犯罪者なのか?」
僕は顔をしかめた。
「まあ、そうなるかな。天才が付く犯罪者ね」
陽子は、まるで悪びれてない。
「最初は大変だったけど、私はすぐに状況に適応した。何てったって天才だから。それで今はエデンにも好きなときに行って、好きな物を持って帰ってこれる。エデンに気づかれない範囲でだけどね」
陽子が胸を張った。
「僕は自分が何故、エデン市民でなくなったか知りたい。そして…」
僕は一瞬、言葉に詰まった。
自分でも、そんなことが可能なのかと思ってしまったからだ。
「また、エデン市民に戻りたい…」
「それは難しいかなー」
陽子が胸の前で腕を組む。
「エデンの中枢部をハッキングして、永続的にデータを変更するのは難しい。私が向こうに住まないのは、それが理由なの。まあ、最終的にはエデンのシステムを崩壊させて、みんなの眼を覚まさせてやりたいけどね。そうだ!」
陽子がポンと手を打った。




