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階段を下りて、下水道に出る。
陽子の手には、いつの間にかライトが握られていて、前を照らしてる。
それから、どのくらい歩いただろう?
僕は時間を確かめたくて、途中でスマホを見た。
電池が0%になってる。
「それ、ちょうだい」
陽子が言った。
「分解して、部品を使うわ」
僕は真っ黒いスマホの画面を見つめた。
「充電しても、エデンがあなたを拒絶した瞬間から、ただのガラクタになってるわよ」
確かにガラクタかもしれない。
でも何だか、これが僕がエデン市民だった最後の証みたいな気がして、素直には彼女に渡せなかった。
返事しない僕を見て、陽子は肩をすくめた。
それからまた、しばらく歩いた。
「ここよ」
陽子がドアを開けて、階段を上がっていく。
「壁の外には、私やあなたと同じようにエデン市民じゃなくなった人たちが居るわ。やけを起こして、すっかり悪人になってしまってる人もね。私以外の人には油断しないこと。いい?」
僕は頷いた。
一気に緊張してきた。




