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「下水道を管理してる施設のひとつよ。ここから下に降りて、外壁の外に出るわ。そこに私の隠れ家があるの」
「外に…」
「そうよ。どっちにしろ外に出ないと。長時間、ハッキングしてると、さすがにバレちゃうから。そうだ!!」
彼女が急に大声を出した。
「自己紹介が、まだだったわね」
僕に向かって右手を差し出した。
「私は陽子」
「陽子?ずいぶん、変な名前だね」
陽子と握手する。
「僕はセティウス」
「セティウス…」
陽子が、ため息をつく。
「エデンに付けられた名前か」
「そりゃそうだよ。誰だって、生まれたときにエデンが名前を付ける。君だって、そうだろ?」
「私は、その名前は捨てたの。『陽子』は大昔に人間が付けてた名前の中から、私が自分で選んだのよ」
自分で自分の名前を?
彼女は独特すぎる。
「じゃあ、セティくん」
セティくん!?
「行きましょ」
陽子が歩きだす。
僕は慌てて、後を追った。




