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第4話 冒険の始まり

「危ない所をありがとうございました。私の名前はセフィリア・アークハイドです。長いのでセフィって呼んでください」

天使ちゃんはセフィリアというのか。名前まで可愛い。

「いやオレの方こそ助けに入ったはずなのに逆に助けられちゃいました。オレの名は緋崎悠矢です。ってゆーか…何が起きてんの?それに転生ってどーゆー事?飛行機が墜落すると思ったらいきなりこんな場所で目覚めて…訳わかんないんですよ」

矢継ぎ早に問いかける。

絶賛混乱継続中である。

「その様子だと転生して間もないんですね。わかりました。知ってる事を全部お伝えしますので…まずはここから移動しませんか?」

とびっきりの笑顔で提案してくる。勿論天使セフィちゃんに賛成である。文字通りこんな血生臭い場所からは一刻も早く立ち去りたい。

「私この戦争に巻き込まれちゃって逃げてる途中だったんです。向こうに見える森まで行けばひとまず安全だと思います。まずはあそこまで行きましょう。移動しながらお話しますね」

「そうですね。何が起こったのかさっぱりなんで色々教えて下さい」

何はともあれ情報収集が最優先である。

周りに気を配りながら森を目指し死体の山を駆け抜ける。天使ちゃんは色々と教えてくれた。

この世界はアクーパーラ。

あれか、デッカい亀だ。偶然にしては一致しすぎじゃ?まぁいいや続きを聞こう。

アクーパーラには様々な種族が生きている。中にはイメージ通りの悪魔みたいな見た目の魔族や巨人族とかもいるらしい。是非ともサキュバスや人魚にお世話…もといお会いしたいものだ。

そして今回巻き込まれた戦争は獣族と人族の争い。些細ないざこざはしょっちゅう起きているが今回はかなり大きな戦だったらしい。

天使ちゃんは旅を続けている時に立ち寄った村が突如始まった戦争に巻き込まれてしまったとの事。

根本的に種族間が争っている事はないらしく基本は平和そのもの。だが一部の悪意ある種族のせいで争いは絶えないという。今回の戦の原因は獣族を奴隷にしようとした人族に対する報復らしい。うん、それは人族が悪い。

セフィちゃんもオレと同じ飛行機に乗っていたらしい。オレと同じで目覚めたらこの世界で「セフィリア・アークハイド」として生まれ変わっていたらしい。

転生と聞くと前世の記憶を残したまま赤ん坊からやり直すイメージだがどうやらそうではなく死んだ人間の体で生まれ変わるらしい。だから鎧着て刀を持っていたのか。それにしても人が死んだ瞬間別人になって生き返るなんてホラー以外の何者でもないな…

と言うことはオレも誰かの体で復活している事になる。言われてみると前よりもガタイがいい気がする。鏡が無いのが残念だ。明るくなったら川で確認してみよう。恐らくあの戦争に参加して命を落とした人間の体なのだろう…そう思うとなんだか複雑な気持ちになったが最早オレにはどうしようもない。この体の前の住人の分までしっかり生きようと密かに決意した。

ところでこの体の人間の名はなんていうんだろうか?

知り合いにあったらどうしよう…すぐボロが出るな。

まぁおいおい考えよう。問題の棚上げは昔から得意である。

オレと天使ちゃんの転生には一つ大きな違いがあった。

転生した時間のズレが大きく生じている事だ。

オレが転生したのがついさっき、だがセフィちゃんは2年も前に転生しているという。まぁ生まれ変わりなんて事が起きているのだ、時間軸のズレなんざ些細な事かもしれん。

2年の間で色々この世界の事を学び今日まで生きてきたという。さぞ苦労してきた事であろう…

そして先ほどの戦闘で見せたあの閃光。

あれこそ転生の醍醐味『スキル』である。

とはいえユニークスキルとかレアスキルとかの固有のものではなく練習次第で誰でも使えるものばかりだという。魔力を世界に干渉させて何かしらの現象を起こすのだと…よくわからんので実践を交え説明してもらう。

ちょうど野宿するのに最適な場所まで来た。近くに川もあるようだ。焚火をするのに火を起こす、それを魔力を使って見せてくれるという。

「披露って言うほど凄い火はだせないんですけどね…」

照れながら集めた枝に手をかざす。するとすぐに枝から煙が出始めた‼︎スゲェ‼︎ライターいらずや‼︎

セフィちゃんが言うには今のは大気の『熱』に魔力を干渉させ火を起こしたらしい。

これは試さずにはいられない。

真似をすべく同じように枝を集めもう一つ焚火を始める。集めた枝に手をかざし念じてみる。

(燃えろ…燃えろ……っ‼︎)

すると枝に……全く変化がない。

「手から放った魔力を熱に干渉させるんですよ」

可愛く天使がアドバイスをくれるがまずそれが意味わからない。まさか中身はポンコツなのか⁉︎見た目が完璧だから教え方も完璧とは限らないのか…まぁ仕方ない。

要は自転車や水泳と同じで一度体で覚えれば忘れることはないという。実践あるのみだ。

まさか転生初日で修行が始まるとは…

魔力干渉には得手不得手があるのだという。

分かりやすいところでいくと水に住む魚人間は水系、空を飛べる鳥人間は風系への干渉が得意なのが一般的との事。例外はあるが殆どその傾向が強いらしい。

人族のような種族は突出した特徴はないもののほとんど全ての魔力干渉が可能なのだという。よく言えば万能、悪く言えば器用貧乏と言ったところか。

セフィが先ほどの戦闘で使用した閃光は魔力を大気の光に干渉させ高熱を発生させたとの事。つまりべ○ラマか。色々試した結果光系のスキルが自分は得意なんだとセフィは気づいたらしい。

ならばオレにも得意なスキルがあるはず。

長所を伸ばすべく水を出そうとしたり雷を出そうと試すも全く上手くいかない。前途多難である…

今朝羽田を出発し夜には異世界の森の中…

いきなりすぎる展開に体がついていけるはずもなくいつしか夢の世界へと落ちていった。


焚き火も消えた森の闇の中でセフィが一人呟く。

「この人が今度こそ『運命の転生者』でありますように…」

セフィリアの独り言は夜の闇に吸い込まれていった…

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