第3話 初めての戦闘。運命の出会い
白マントを助けあわよくば仲間になってもらおう。
そしてあわよくばあんな事やこんな事…
…思考を戻そう。
下心は抜きにしても女の子が困っているなら助けてあげたい。問題はどう助けるかだ。
相手は3人。いずれも武器を持ち明らかに自分より強そうである。しかもただの人間であればある程度見た目から判断つくが…猿人間とか豚人間の基準なんぞわからん。
正面切ってやりあっても勝ち目はないと思い、後ろから奇襲をかける事にする。
まずは一番後ろの馬人間の後頭部を殴り一撃で何とか気絶させる、次にそのすぐ前の猿人間。振り向きざまに顔面に一撃を入れ何とか気絶させよう。残った豚人間を何とかやっつける…
作戦としては穴だらけだが仕方ない。腹をくくるしかない‼︎
そう思いながら気配を消しつつ背後に回る。今にも白マントちゃんに襲い掛かりそうな豚人間を制止する為にも覚悟を決める。
流石に剣で斬り殺す勇気はないので鞘付きで殴る事にする。腰から外し真上に振りかぶり…一気に駆け寄る。
全くの意識の外からの不意打ち、兜を被った馬人間の後頭部にお見舞いする。激しい金属音が響き渡り一撃で昏倒…とはならなかった。
派手に前につんのめりながらも踏ん張ろうとしている。
無意識のうちに躊躇してしまったのだろうか、残りの2人も何事かと振り向く。一瞬で状況を判断したようだ。
「何だテメェ‼︎コイツの仲間か⁉︎」
怒鳴りながらこちらに襲いかかってくる。
「くそっ、やっぱダメだったか…っ‼︎」
当たり前と言えば当たり前。慣れない事はするもんじゃない…
襲ってきた猿人間の一撃を何とか交わし即座に作戦を変更する。
こうなったら3人を引き連れて何とか白マントちゃんを逃がしてあげるしかない…‼︎
諦めて撤退をしようとしたその時…
一瞬閃光が走ったかと思った次の瞬間、猿人間の頭が吹き飛んでいた。呆気にとられている内に瞬く間に豚人間も最後を迎える。白マントちゃんが何かをしたのはわかったがそれでも理解が追いつかない。
残った馬人間がターゲットを白マントちゃんに変え襲いかかろうとしている姿に気付き、慌てて後頭部に第二撃を加える。
またもや真上から振り下ろす。今度は手加減無しだ。
何とか無事気絶させる事に成功した。
前のめりに倒れた馬人間が立ち上がらない事を確認し安堵する…
(まさか死んだりしてないよな…?)
流石に命を奪う事に抵抗はあるが…この場合正当防衛は認められるのか?いやそもそもそんな道理が通用する場面なのか…?
次々起こる事態に混乱しながら訳のわからないことを考える。
「助けてくれてありがとうございます」
声を掛けられ振り向くと…そこには天使がいた。
年齢は自分より少し下ぐらい?10代後半であろうか。
整った顔立ち、長い金髪ストレート…CGかと思うほどの美少女であった。
何百年に1人の逸材だろうかと思わせる少女に呆気にとられ、先ほどまでの恐怖混乱もどこへやら…赤くなりながら必死で取り繕う。
「な、何の役にも立たなかったけど…無事で良かったです」
悠矢が答えると思わぬ答えが返ってくる。
「やっぱり日本語だ…‼︎貴方も転生者なんですね?」
…え?貴方も…って事は⁉︎⁉︎⁉︎
その質問が全てを物語っていた。
この子も転生者なんだ…‼︎
未だに悠矢の脳内処理は追いつかない