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第1話 自分探しの旅なのに気づけば知らない世界

沖縄へと向かう一機の飛行機。

窓の外はどこまでも広がる雲と空、その美しいコントラストを彼、緋崎悠矢はぼんやりと眺めていた。

今回当てのない一人旅として沖縄を選んだ。

自分探しと言えば聞こえはいいが要はただの遊び、当てのない一人旅である。

他人が聞けば羨ましがる事間違い無しだが本人のテンションは高度と反比例し超低空飛行…

(この旅で…何かトラブルでも起こらないかなぁ)

お前は何しに南国に旅立つのだ…っ‼︎

そうツッコまれても仕方ない甚だ不謹慎な独り言を悠矢はつぶやく。

南国へ向かう機内。

飛行機事故に遭う確率は約10万分の1と言われている。

最も安全なはずの乗り物でまさかの事態が起きる。

窓の外に見える翼に取り付けられた巨大なエンジン、自動車よりもデカいそれから突如黒煙が吹き上がる。

急激に高度を落としていく機体。

凄まじい振動と重力による激しい衝撃に襲われる。

それまで静かだった機内が一瞬で地獄絵図と化す。

悲鳴混じりに叫ぶ女性や泣き喚く子供…

完全にパニックである。

「こういう意味じゃねぇんだよっ‼︎」

先ほどまでの考えを声に出して否定する。

何がトラブル起こらないかなだよっ‼︎

ガチで起こっちゃ困るのよ…

心の中でツッコミを入れたところで何の意味もない。もっと自分に都合のいい展開を望んだだけなのに…

『ゴンッ‼︎』後頭部に強い衝撃を受ける。

何かが飛んできて頭部に直撃する。

確認する間もなく悠矢は意識を失ってしまう。

その間にもみるみる高度を落としていく機体。

運命は大きく動き出していた…


……

…………


どれぐらい気絶していたのだろうか…

全身の激しい痛みと朦朧とする意識の中、周囲の状況を確認しようと身を起こし…悠矢は更なる混乱に襲われる。

見渡す限り広大な草原のような場所、もし地獄というものが存在するのならここは最もそこに近い場所であろう。

辺りには至る所に人の死体が転がり、正に『地獄』であった。

言葉では言い表せられるような状況ではない。

その余りの光景に肉体が激しい拒否反応を見せる。急激に湧き上がる嘔吐感。

耐えきれずその場にうずくまる。

そして体内の物全てを出し尽くしたかと思うほど吐き続けた…

しばらくして吐き気も収まり出した頃にようやく少し冷静さを取り戻す。

自分が助かるために行動を起こさなければ…

覚悟を決め立ち上がり、勇気を出して辺りを見渡す。

そして…ある違和感に気付く。

沖縄に向かっていた、飛行機が墜落した、あの機内での体験は夢などでは決してない。

それは覚えてる…

なのに何故…何故ここの遺体には矢が何本も刺さっているのか?

刃物で切断されたような死体があるのか?

何故皆同じ鎧兜を身につけているのか?

映画やドラマで見かける戦場のシーンに迷い込んだのではないかと思わせる光景だ。

遠くで爆発音のような音、風になって微かに聞こえる人々の叫び声、今まで嗅いだことの無い異臭、全身を襲う激しい痛み…感覚全てが夢である事を否定する。先ほどまで一緒に乗っていた搭乗者達の死体で無いことは明らかであった。

(なんだこれ…てっきり墜落現場かと思ってたが…これじゃまるで…)

違う世界に迷い込んだんじゃないか…っ‼︎

まさしく異世界転生ではないか…っ‼︎

ラノベを読み漁り憧れた全く違う人生。

生まれ変わってモンスターだったらどんなに楽か…

VRMMOだったら楽勝なのに…

強制的に新たな人生に『巻き込まれる』

ある意味理想だと思っていた…

自分に責任なく半ば強制的に転生させられるのだ…


だが…実際に自身に降りかかるとそうは思えない。

悠矢の無難な人生が大きく動き出す。


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