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奇聞集  作者: keikato
78/79

78 死期を告げる

 この話は私の知人であり、これまでも不思議な話を提供してくれた八坂社の神主さんが、今回は自分が聞き知った不思議な話をメールで送ってくれたものである。

 その話について、神主さんから送られてきたメールを、ほぼそのままの状態で紹介したいと思う。


 もし『奇聞集』に使えたらと思い、少し長くなりますが聞いてください。

 先月の始め。

 父の甥っ子の娘さんが亡くなりました、

 彼女は学生時代にガンを発症し、十年間、八坂社に回復を祈願をしながら、ヨサコイで全国を回り、舞踊で名取を取り、モデルもするなど、多くの活動をしていました。

 その人生はたくさんの人に愛され、結婚もして、短くても充実したものだったでしょう。

 それが今年の春から容態が急に悪くなり、日に日に衰弱していきました。

 そして、話すこともおぼつかなくなった七月一日の夜、彼女は母親にとつぜん、「あと三日」と言ったそうです。

 母親の話をあとで聞くに、彼女は目を見開いて天井を見つめ、うなずきながら誰かと話していたそうです。

 そして彼女の言葉どおり、七月四日のお昼ごろに亡くなられたそうなのです。

 私が「その誰かは、お迎えだったのかもしれませんね」と言うと、母親もうなずいていました。


 自分の死期を告げるという話は、ほかにも聞いたことがあります。

 私の叔母です。

 私の叔母は若くして結核で亡くなったのですが、看病する母親に、「今日のお昼過ぎに逝きます」と話したそうです。

 そのときの叔母はとてもしっかりしていたし、食欲もあったので、母親は深く考えず、昼過ぎに出張から戻った父親のお土産を叔母に食べさせようと台所へ立ちました。

 けれど、お菓子を持って戻ったときには、叔母はすでに亡くなっていたそうです。

 不思議な予感というものがあるのでしょうか。

 命の火が燃え尽きる時期を、人は自然に悟るものなのでしょうか。


 メールの内容は以上である。

 自らの死期を予知し、それを信頼する者へ告げるという、これら二つの不思議な話。

 いかがだっただろうか。

 胸騒ぎ、予感、予知の話はよく聞く。

 ただし、自らの死期を予知して、それを告げるというのは聞いたことがない。

 しかも予知通りとなった。

 これは偶然では片づけられない不思議である。


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