69 来訪者
今回の体験談は、だれでも一度はありそうな話である。
そうではあるが、不思議といえば不思議であり、わざわざ提供していただいた情報なので、ここに載せることにした。
提供者はずいぶん前からの知人の女性Kさんで、そのことがあったのは、令和に入って初めてのお盆のことだという。
彼女から送られてきたメールをほぼそのままの文で載せることにした。
昨夜のできごとです。
私たち夫婦は、お盆で私の実家を訪れていました。
実家ではお盆の間、ご先祖様にさしあげるお膳を作って、自分たちが食べる前にそれを供えて拝むのですが、それが済んで、これから自分たちの食事というときでした。
父と夫は居間に座り、私は配膳の準備に台所へと向かいました。
そのとき「おーい!」と、男性の声がはっきり聞こえたので、私は「はーい」と返事をして、居間に戻りました。
夫は、誰も何も言ってないと言います。
父は玄関を指差し、誰かが来たと言います。
それで夫が玄関に確認に行ったのですが、お客が来た様子はまったく見られなかったそうです。
その「おーい!」という声は、私と父だけに聞こえたようで、夫は聞こえなかったそうです。
最後。
まあ、お盆だからこういうこともあるか、ということになりました。
玄関には神棚が祀られてあるのです。
Kさんのお宅。
お盆の夜の来訪者は、ご先祖様だったということになる。
この話。
空耳といえば空耳、怪異といえば怪異、こういう体験、だれにでも一度はあるような気がする。




