表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奇聞集  作者: keikato
65/79

65 水神上げ

 今回の話は、某神社の神主をしている知人が、父親から聞いたという、奇怪な話をメールにして送ってくれたものである。

 そのメールに沿って紹介する。


 平成になった頃のことです。

 Tさんという方の家に、立て続けに不幸が起こっていました。若い妹さんが急死、奥さんが病気、ほかにもいろいろ不幸があったといいます。

 Tさんは悩んだ末、占い師に相談したところ、その占い師から「井戸をお祓いしなさい」と言われたそうです。

 そこで神主の父がTさん宅に呼ばれたのですが、父が井戸の中をのぞいてみたところ、底に溜まった水はぞっとするほど真っ赤だったといいます。

 長く使用されていない井戸だったらしく、パイプなどの鉄錆が流れ出したのでしょうか、父はあんな赤い色の水は初めて見たと話していました。

 ちなみに井戸には、水神様が住んでいるといわれており、何の供養もせず、使わなくなった井戸を埋めてしまうと、水神様の怒りにより、災いがあるといわれています。

 そうしたことから使わなくなった井戸は、水神様の神上げを祈願する「水神上げ」という祭りをしてから掃除して埋め、水神様が呼吸するための「息抜き」と呼ばれるパイプを地面に出します。これはまた、そこに井戸があったという印でもあり、その上を人が歩かないよう気をつけました。

 ところが長い間、Tさんのお宅は使わなくなった井戸を放置したままでした。

 さっそく水神上げの祭りがなされ、それ以来、幸いなことにTさん方の不幸は落ち着いたそうです。


 井戸。

 昔はどこの家にもあったものですが、水道が普及した現在はすっかり見られなくなりました。

 それでも田舎などには、屋敷のどこかに井戸の名残りがあるらしく、地面の上にパイプが立っているのを見かけたら、それは神様の「息抜き」だと思い、その付近は注意して通らなければならないようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「息抜き」を見かけたことはありましたが、このお話で初めて名前や由来を知りました。 井戸を掘って水の恵みを得ていたのは人間なのに、使わなくなったら埋める……というのは、よく考えると勝手な行い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ