57 屋敷荒神
この話は知人の神主から聞いたもので、神社の近隣に在住する氏子A氏のことである。
話はつい最近のこと。
その地区は田舎であるゆえ、屋敷荒神を祀る家が多いのだが、A氏の屋敷内にも荒神様の祠があった。
あるとき。
その土地にアパートを建てることになる。
「邪魔になる荒神様を処分したいのだが……」
A氏からの相談に、
「処分なんてとんでもない。代々の守神は大切にしなくてはなりません」
神主は強く諭した。
だが、A氏はその忠告を守らなかった。
敷地の片隅に祠を追いやり、アパートが建ってからは祀りも怠ったらしい。
その後。
長男が急死。
次男が行方不明。
A氏本人も重病を患う。
A氏の家庭は崩壊し、滅茶苦茶になってしまったそうである。
以来。
この惨状を見かねた親戚の者が、A氏にかわって荒神様のお祀りをしているという。
年明けの一月。
その地域では恒例のように荒神様のお祀りをするそうである。
お祀りを怠ると、家庭内のだれかが原因不明の病気になったり、なにかしら悪いことが起きるからだという。
最後に神主が教えてくれた。
「屋敷荒神様は厳しい霊験を持っています。ですので穢したり無視したりすると、良からぬことが起きることがあるのです」
ネットでも荒神について調べてみた。
要約すると……。
屋敷荒神は屋敷かその周辺にを祀られる。
民家の代表的な屋内神で身近な存在だが、 その由緒は諸説ある。
荒神の神様は何種類かあり、修験道の開祖である役行者が感得したと伝えられている。
激しく祟たたりやすい性格を持つところから、荒神と呼ばれ、不浄をきらうことから火の神にあてられ竈の神様とされた。




