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奇聞集  作者: keikato
53/79

53 胸騒ぎ

 この話は知人女性が中学二年生のとき、クラスメイトで仲の良かったTとのことである。

 彼女の年齢からして、昭和五十年前後のことだと思われる。


 その日。

 Tはずっと机にうつ伏していた。

 ふだんはおもしろいことを言ったり、男子をからかったりと、いつも元気にはしゃいでいるので、彼女は気になって声をかけたそうだ。

 するとTは「なんか胸騒ぎがする。とても悪いことが起きそう」と言った。

「そんなことないよ」

 彼女はそう元気づけたという。

 ところがTの胸騒ぎが現実のものとなる。

 三時間目の授業中。

 父親が急死したと、親戚の者がTを迎えに来たのである。

「Tちゃん、泣きながら帰りました」

 子供ながらに虫の知らせのようなものを感じ、彼女は複雑な思いでTの後姿を見送ったそうだ。


 父親がすでに病気だったのか、それとも急な事故にあったのかははわからない。しかしその日、Tは学校に来ているのだから、父親の死は予期せぬ突然のものだったことにはちがいない。

 胸騒ぎや虫の知らせというものは誰にでもある。

 考えられるのはその日、Tにもそのようなものがあったということだろう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 悪い胸騒ぎはしてほしくないものです。 これも霊感のある方には強く感じられるものなのでしょう。母は食事の最中、いきなり宙を見つめて立ち上がり、何かを感じ取るような人でした。子どもながらつくづく…
[一言] いつも興味深く拝読しています。私にもそんなことがあったらいいなあと思いながら読んでいるのですが。身近な人に、ひとつふたつあります。直接お会いした時にお話しようと思っているのですが、なかなか…
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