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奇聞集  作者: keikato
38/79

38 蘇り

 今回は不思議な体験をよくされるという知人女性より提供されたもので、彼女が小学校三年生のときの体験談である。

 で、その話というのは、耳鼻科の医院を開いていた父親の身に起きたこと。

 時代は昭和。

 かなり前のことになる。


 その当時。

 彼女の父親は体調がおもわしくなく、自宅で点滴を打ちながら働いていたのだが、そのうち無理がたたって療養を余儀なくされた。

 そんなある日。

 登校中の彼女が忘れ物に気づいて家にもどると、療養中の父親の部屋から「あー、あー」と、苦しそうなうめき声が聞こえてきた。

 急いで駆けつけると、父親が白目をむいた状態でベッドに横たわっており、

「お父さん、お父さん!」

 彼女の呼びかけにも返事はなく、この直後、父親の意識は遠のいてしまった。

 彼女はすぐに母親に知らせ、父親は救急車で総合病院に搬送されたという。


 数日後。

 意識が戻った父親は不思議なことを語った。

 蘇りの話である。

 その話を要約すると……。

 意識を失っている間、自分の魂は体を離れて黄泉の国に向かっていた。

 その道中。

 白い髭のお爺さんが現れる。

 見知らぬ人だった。

「あなたには妻と子供たちがいる。私が身代わりになって行くので、あなたは戻りなさい」

 その言葉に助けられ、あのとき自分の魂は体に帰ることができた。

 蘇生したのだという。


 彼女はこんなことも話してくれた。

「父は心霊話などまったく信じない人なのに、あのときは真剣になって、その話をしていたんです。それにですね、母が親しい看護婦さんから聞いたことなんですが……」

 父親が入院した日。

 ほぼ同じ時刻に救急車で運ばれてきた人がいて、その方は直後に亡くなったそうである。

 ちなみに。

 その人はお爺さんで、顔にはやはり白い髭があったという。


 肉体から離れた魂。

 それが元の身に戻り、蘇る。

 幽体離脱はよくある話だが、こうして実際に聞くとなんとも不思議である。


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