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29 お迎え
この話は知人女性Mさんから聞いたことである。
Mさんは、以前「人形葬」のもとになった話もしてくれており、
「予知夢なら、私も身内で聞いたことがあります」
と、今回わざわざ新たなものを提供してくれた。
話は彼女の叔母さんが見た夢から始まり、その叔母さんはMさんの母の妹にあたる。
母の葬式のとき。
「最近、奇妙な夢を見たの。姉さんとは関係ないかもしれないけど」
叔母さんが夢の話を切り出した。
その夢だが……。
すでに他界している祖母が、母とともに兄と姉とMさんを連れて遊びに来た。
話がひとしきりはずむ。
そして帰りぎわ。
「この子たちはここに置いていくから」
夢の中の祖母は孫三人を残し、なぜか母の手を引いて帰ったそうである。
叔母さんは目が覚めたとき、
――どうしてこんな夢を見たんだろう?
と奇妙に思い、その夢が心に強く残ったという。
数日後。
Mさんの母が亡くなる。
「おばあちゃん、あのとき姉さんの死ぬのがわかっていて、それでお迎えに来たんだろうね」
叔母さんは幾度となくうなずきながら、しみじみとその夢の話を語ったそうだ。
Mさんが冗談まじにり言う。
「私には霊感も予知能力もないけど、良かったような、残念なような……」




