27 悪夢
この話は前回に続き、Sさんからメールで教えていただいたものだ。
時代は昭和の六十年頃のこと。
まだ若かりし彼女の母親が見た悪夢にして予知夢のことである。
原文をほぼそのまま拝借させていただく。
その日は夏休みでした。
祖母と母と私の三人で、お昼ごはんを食べていたときのことです。
「夕べ、変な夢を見たんだけど……亡くなったおじさんが夢に出てきてね」
母がいきなり夢の話を始めました。
「うちの家の裏口から、こんにちはー、って入ってきてね」
実家には北の間というものがあり、裏口はその北の間から出入りができるようになっていたのです。
「それがどうしたことか、おじさん、裏口に立ったままで、どんどん顔色が悪くなってね」
そのときのおじさんは、具合がひどく悪そうに見えたという。
「どうぞ、入ってきたら?」
母は声をかけたものの、どうしよう、どうしようって、夢の中でオロオロしていたそうです。
「ほんとに怖くて、夢でも気味が悪かったんだよ。だってもう、おじさんは亡くなってるんだから」
そのとき電話が鳴ったんです。
奇妙な話をしているさなかだったものですから、女三人、思わず顔を見合わせました。三人とも、なにかしら予感めいたものがあったんですね。
電話はやはり訃報で、亡くなられたのは母方の親戚の者でした。
「血筋は母方、それも祖母からのものかな?」
Sさんは予知は血筋だろうという。
これも予知だったのだろう。
偶然。
たまたま。
そう思われる方もおられよう。
ただ。
奇妙な偶然がいくつか重なると、常識の範疇からはずれて摩訶不思議となるものだ。




