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奇聞集  作者: keikato
25/79

25 人形葬

 この話は知人女性が女子高時代、同じクラスのS子から聞いた奇談である。

 時は昭和五十年代。

 S子は色白で可愛らしい子だったという。


 S子はこう語ったそうだ。

 幼い頃の私は、人形を持ち出しては近くの畑などに埋めていた。

 お墓、人形葬である。

 そのことを知った母は私を引き連れ、人形を埋めた場所に案内させた。

 母が土を掘り返し、汚れた人形を家に持って帰る。

 母はきれいに洗ってくれた。

 それをまた私が土に埋める。

 同じことが何度か続く。

 母親にはそのだびに叱られた。

 それでも私はやめなかった。

 人形は動かない。

 人形は死んでいる。

 だから土に埋めてあげなきゃ。

 子供心にそう思っていた。

 はじめは驚いていた母親も、そのうちあきらめたのか何も言わなくなった。


 そんなある日。

 人形のお墓の上の土が盛り上がり、そこから人形の頭と両手が出ていた。

 人形は横にして埋めてあった。

 そこが掘り返されたふうはない。

 私は思った。

 人形が自分で出てきたんだと……。

 飛んで家に帰った。

 翌朝。

 人形はそこになく消えていた。


 それ以来。

 私は怖い夢を見るようになった。

 人形が夢に現れるのだ。

「お人形さん死んじゃったから、お墓を作ってあげなきゃ」

 人形が寝ている私に土をかぶせてゆく。

 私は身動きできない。

 私は人形になっている。

 同じ夢を繰り返し見た。

 だから私は、子供の頃から人形が大嫌いだった。今でも人形は苦手で、ぬいぐるみひとつ持っていない。

 最後に。

「自分がしちゃったことだから、しかたがないけどね」

 S子は首を振って苦笑いしたそうだ。


 この話。

 その後のことは聞いていないという。


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