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奇聞集  作者: keikato
23/79

23 蛇

 この話は以前、「人面蛙」の奇話を提供してくれた知人女性が、やはり同じくTから聞いた不思議な話である。

 そのTだが今は整体の店を開いており、不思議な話というのは患者である客の体験談だという。

 話は最近のことだと思われる。


 その日。

 腰痛を訴える客が店に訪れる。

 その客は銀行員で五十代の男性だった。

 腰痛になったきっかけを問うに、男性は車で外回りの営業中に自損事故を起こし、今もなおその後遺症に悩まされているのだという。

「それがなんとも不思議でしてね」

 男性が事故の様子を振り返る。

 山の中を抜けるバイパスを走っているときだった。

 前方の路上に細い紐状ものが見え、それが目前になって蛇だとわかる。

 蛇が道路を這っていたのだ。

 とっさに避けようとしたが、蛇を踏んだ感触がハンドルを握る手に伝わってくる。

 イヤなモノをひいたな。

 そう思いつつ、男性はそのまま現場を通りすぎたという。


 事故を起こしたのは、その数日後。

 やはり営業の外商で、先日と同じ経路で車を走らせていたのだが、あの蛇をひいた場所にさしかかったときである。

 車の速度が意図せずして上がってきた。

 そこは下り坂でもないもないのに、車のスピードはそれからも増すばかりである。

 不思議に思いブレーキペダルを踏む。

 だが、どうしたことか深く踏み込めない。

 なんで?

 あわてて足元を見るに、ブレーキペダルに蛇がからみついていた。

 そして次の瞬間。

 車は反対車線を横断し、そのまま右側にあった林に突っ込んでいった。

 覚えているのはそこまで。

 気がついたときは病院のベッドだったという。


 なんとも不思議な話だが、白蛇などを題材にした作り話はいくつもある。

 どう考えても、この話はできすぎの感が否めない。

 私は彼女に問うてみた。

「なんかできすぎでは?」

「おっしゃるとおりです。でも話をしてくれた彼女は決してウソをつく人ではないので」

 知人女性はきっぱりと答えた。


 この話。

 男性客が話を盛った可能性も否定できない。

 実話なのか?

 作り話なのか?

 真否はわからない。

 だが、いずれにせよ奇異な話であることには違いない。


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