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奇聞集  作者: keikato
10/77

10 人魂

 この話も、前回に続いて大崎のおじさんから聞いたものである。


 上の娘が中学生、下の娘が小学生だったので、およそ四十年前のことだという。

 その日は夏だった。

 夜の八時過ぎ。

 娘二人が二階にある自分たちの部屋から、階段をドタドタと踏み鳴らしてかけ降りてきた。

 人魂が部屋に入ってきたのだという。


 娘たちの話によると……。

 人魂は南側の開いた窓から入ってきて、天上を這うように伝い、北側の開いた窓から出ていった。恐るおそる北側の窓からのぞくと、人魂はまだ窓の真下の地面にいた。

 人魂はバレーボールほどあったというから、たいそう大きなものだったらしい。

 以来二度と。

 娘たちは二階で寝なくなったそうである。


 おじさんが言うには……。

 その前年の夏。

 同居していた父親がこの家で亡くなっていた。

 そのオヤジの魂ではなかったのだろうか。

 孫に会いに来たのではなかろうかと……。


 家の中に入る人魂。

 私はこのとき初めて知った。

 人魂にもいろいろとあるものである。


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― 新着の感想 ―
ここまで一気に読み進めてしまいました。 実話怪談が好きなので、どのお話もとても興味深いです。 人魂は科学的に説明がつく~……的な話も聞きますが、家の中にまで入ったきたとなると、やはり説明のつかない事…
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