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第6話 一日の終わり

私たちが一階に戻るとカウンターのお姉さんの笑顔が出迎えてくれた。

本当に癒されますよ、お姉さん。

「お疲れさまです。いかがでしたか?」

カウンターに近づいていくと、お姉さんは尋ねてきた。

前半は私に向けて、後半はチェザンさんたちへの言葉だろう。

「セレーン、Cランクで登録してくれ。」

カウンターのお姉さんはセレーンさんって言うのか。ふむふむ。

「え?それは…すごいですね。」

まあ、驚いて当然だよね。

でも、驚きながらも仕事が早い。さすが、営業マン。

「では、これに必要事項を記入してください。」

えーっと…


  名前:リヴィア

  年齢:11歳  (で、いいよね。)

  武器:剣

  職業:(?)


「あの、職業ってなんて書けばいいんでしょう?」

わからなければ、聞いてみよう。

顔を上げてお姉さんこと、セレーンさんに聞いてみた。

「リヴィアちゃんは魔法使えますか?」

「多少なら。」

「魔法をメインに使うなら、職業は魔法使い。魔法と剣なら、魔剣士。剣なら、剣士になります。」

それじゃあ…


  職業:剣士


魔法はあんまり使いたくないしね。

必要事項を書いて提出した。

「では、ギルドカードができるまでお待ち下さい。」

そう言うとセレーンさんは奥に引っ込んだ。


ギルドカードは身分証明書となるのでパスポート代わりだ。

加えて偽装ができないし、他人が使うこともできない。

何とも便利なものである。


そう時間もかからず、セレーンさんが戻ってきた。

「お待たせしました。これがリヴィアちゃんのギルドカードです。まだ仮登録となっているので、このカードに血を一滴垂らしてください。それで登録完了となります。紛失しないように気を付けてくださいね。再発行は金貨1枚となります。」

血で魔力をカードに認識させるのか。これ考え出した人すごいなぁ。

私は差し出された短剣で指を傷付け、滲んだ血をカードに落とした。

カードは地下の扉のように一瞬だけ淡く光った。


「ギルドの説明は必要でしょうか?」

そういば、ゲームや小説のギルドと同じなのだろうか。どこに行っても暗黙の了解というものがあるし、必要以上に目立つのも面倒だ。聞くは一時の恥…とも言うからね。


「お願いします。」

「では、説明させていただきます。」

ギルドのランクは下からF、E、D、C、B、A、Sの7ランク。それに合わせて依頼も振り分けられている。受けられる依頼は自分のランクのものと上下1ランク分だけである。つまり私の場合は、D、C、B、の依頼が受けられるということだ。これは高ランカーが低ランカーの仕事を奪わないためと、低ランカーが無謀に高ランクの仕事を受けないように防止するためのシステムのようだ。依頼は単独でこなしてもいいし、パーティーやクランでこなしても良い。パーティーは2人以上5人以下の少人数構成で、クランは6人以上の大人数で構成されている。統率がとれており、一種の小隊だそうな。

現在クランは約60団体あるようだ。多いのか、少ないのか…。

依頼を失敗したり、依頼期日を守れなかった場合は、違約金を支払わなければならない。

私闘には介入しないが、正当防衛や依頼以外の殺人、犯罪行為は厳しい取り締まりがある。ギルドカードはギルドが身元を保証している証で、国境すら越えることが可能であるから、犯罪行為には厳しいのは当然のことだ。

ギルドから緊急依頼が出た時は、強制参加しなければいけない。緊急依頼とは、街または国の危機的状況のときに発動されるもので、国家間の戦争行為は該当しないものである。

薬草や魔物などはギルドのほかに、薬師や職人などに直接売る方法もある。依頼に関しても、直接依頼を受けることも可能だが、そのときに発生した問題にはギルドが介入しないからすべて自己責任となる。

魔物に関して何か異常があれば、ギルドに報告する義務があるが、その他の情報は個人の善意に任せている。


…等々、簡単にかつ分かりやすく教えてくれました。良い受付嬢だね、セレーンさん。

どうやら私の知ってるギルドと大差ないようで少し安心した。

最後に、ギルドには様々情報が集まるため、こまめに確認することをお勧めされた。


「説明は以上になります。依頼を受けるのでしたら、あちらの掲示板を見るかカウンターに尋ねて下さいね。」

「は、ご丁寧にありがとうございました。」

ちらりと確認すると、どうやら三種類の掲示板は、常時募集依頼用、条件付き依頼用、通常依頼用と別れているらしい。

だが、まぁ、取りあえず……




なんか食べたい。






私は近くの人に聞いた宝石店にいる。

なぜかって?

お金がないからに決まっているじゃないか。

魔石は高く売れるから、当分お金の心配がなくなるはず。

私は手持ちの小指の爪くらいの大きさ三つ分売った。

どうせ魔石なんて自分で作れるから、いくら売っても問題なし。



………で、結果

予想よりかなり高く買い取ってくれました。

魔石って需要高いわりに供給が低い、とてつもなく。

そんなに貴重だったんだ、魔石って。

魔族は魔石なんてほとんど使わないから、知らなかった…。


お金は腐らないし、ありすぎて困ることはないから細かいことは気にしない。


私は金貨がぎっしり詰まった袋を受け取ると店を出た。

何枚かの金貨をポケットに突っ込むと、残りは亜空間に収納。

普通に持ってたら危ないからね。人目につかない所でポイッと入れましたよ。


たくさんお金が手に入ったから、ご飯の後で必需品を揃えて今夜の宿を探そう。



その後……

私はこの世界に生まれて初めての買い物を心行くまで楽しんだのは言うまでもない。

運よく宿も取れて、今は部屋で今日の買っと物を整理中。

本日の成果、

・ギルドカード

・肩掛けカバン

・数種類薬&薬草

・金貨約7枚

・懐中時計(首にかける用)

・投げ用短剣(15本)

・短剣装着用ベルト

・地図

・毛布

・着替えの服数着(+布)

・裁縫道具

・食べ物(屋台でアツアツのを買いました)

・食器(魔法瓶含む)


私の趣味は裁縫なんです。(笑)

こう見えて裁縫、得意なんです。まあ、創作全般得意なんですが。


地図っていっても、私の想像していたものと違って、どのあたりに国があって…大きな街があって…ってぐらい大雑把だったけどね!

でも、考えてみると当たり前か。前世みたいな詳細の地図があったら敵に攻め込まれやすくなるからね。


懐中時計、短剣7本、ベルト以外は中を亜空間に繋げたカバンに突っ込んだ。新たに作った魔石も同様に突っ込む。

元は何の変哲もないカバンは、今や無限に収納できるカバンになった。

亜空間は時間が止まっているので、腐ることも劣化することもない。

旅をする時に、実に役立つ魔術なのだ。


明日は依頼を受けてみよう。すごく楽しみだ。


私は明日に思いを馳せつつ、いつもより固いベットで目を閉じた。





次回、別視点入ります

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