第9話 依頼を受けよう
どうしてこうなった……
今日も見事に、すがすがしい朝!
そんなわけで、私はギルドにて依頼を探してます。
どれも面白そうだが、早くこの町を離れないと…。
できれば商人の護衛とかが一番ベストなんだけど、聞いてみるか。昨日と同じ所にセレーンさんを見つけた。
「あの、護衛の依頼ってありますか?」
「こんにちは、リヴィアちゃん。確か、ちょうどいい依頼がありますよ。アトランタに行く商人から護衛の依頼がきていますよ。」
「じゃあそれでお願いします。」
アトランタはここから3日ほどの町だ。いろんな国から商人が集まる場所で有名な町の一つだ。
初回の任務としては妥当かな?
「先に依頼を受けている人たちと協力してください。2時間後には出発ですが、大丈夫ですか?」
なお良い!
早くここを出たいからね。
「大丈夫です。詳細を教えて下さい。」
声が弾むのは、目を瞑って下さい。
だって楽しみなんだよ。初めての依頼、初めての護衛。知識では知っていても、実際見るのとはやはり違うだろう。
私はもっとこの世界が知りたい。私が生まれたこの世界を。
そして…。
「リヴィアちゃん?どうかしました?」
「い…いえ、なんでもありません。」
「そう?なら説明させてもらいますね。」
曰く、護衛対象は4人。サクマ山を通って薬草を仕入れ、アトランタに行く。
何でもここ十数年は魔物が多発しているらしい。噂では新たな魔王が関与しているとかなんとか…。
……私そんなことしていませんよ!寧ろ、人間との関係を改善しようと奮闘していたんですけど!?
第一、魔物が増えたとか報告に上がってなかったんだけど。
調べることが増えた…。
そんなことで、商人たちが護衛を雇うことが増えたそうな。
セレーンさんから話を聞いていたら、あっという間に1時間30分後。大半が無駄話だった。
集合場所には護衛役の人らしき二人が立ち話をしていた。
近づいていく私に二人は同時に目を向けた。
「ん?もしかして、依頼受けた最後の冒険者か?えらく若いな。」
「はい、Cランクのリヴィアと言います。よろしくお願いします。」
「ああ、俺はブルジス、Bランクだ。こいつは相棒のロウィン、同じくBランク。よろしくな、坊主。」
「よろしく。」
ブルジスは豪快そうな人だなぁ。
ロウィンは逆に静かそう。バランスはとれているかも?
それにしても坊主って…。
確かに昨日より格段に動きやすい男の服を着てるよ?
髪型もシンプルに首元に一つ括りだよ?
でも、わかってほしかった。女だって。淡い希望だったけどね。
昨日は女の子用の服だったから女の子だと見られてた。自分でも理解している、男の子用の服着れば男に間違えられることくらい。
それでも、わかってほしいかった。
精神的にショックを受けて撃沈した私を不思議そうに見る二人。
哀しいかな、これが現実。
頭の中で嘆いていると、約束の時間になったらしく商人さんがやってきた。
それでは気合いを入れ直して、出発!!




