††† 02 †††
「初めまして、私はالأبيゞطйط郰رك 万象管理概念AIです。 移動世界を御指定下さい」
目覚めると眼の前に光でできたクリオネみたいなのがいた。
「うわああっつ!!」
情けないけど思わず叫んじゃって、泣きそうになった。
心臓とか、痛いくらいバクバクしてさ。
自分じゃ見えないけど顔なんて真っ青だったと思う。
危うくチビるとこだった。
いや、ホント。 気の小さいウチの担任とかだったら絶対漏らしてたぜ。
おとなしい生徒の前じゃやたら偉そうだけど、ちょっとDQN入ってそうなやつとかには目を逸らしたりしてさ。 隣のクラスのエリカちゃんを見習えって
エリカちゃんってのは、新卒3年目の先生でさ。
「初めまして、私はالأبيゞطйط郰رك 万象管理概念AIです。 移動世界を御指定下さい」
現実逃避してたら、クリオネがまた言った。
だから怖いんだって!
妖精とか天使とかいったキャッチコピーだけしか知らないやつならアレだけど。
なまじ、その正体を知ってるとさ。
バカっと頭が開いて丸のみされそうなサイズだし。
「えっと、すいません。 貴方はどなたでしょう?」
うん、だから俺がちょっと下手にでたってしかたないと思う。
宇宙人とかだったら、怒らせると解剖されたり変な機械を埋め込まれたりするって話だしさ。
「私はالأبيゞطйط郰رك 万象管理概念AIです。 チュートリアルを適用します」
「ばんしょーかんりがいねんえーあい?」
よく解らなくて訊き返した途端、頭がぼうっとして何も考えられなくなった。
でさ、気がついたら何か色んな知識が頭に入ってた。
ほら、睡眠学習とか聞くだけで英会話ができるようになる教材とかってあるだろ?
なんかあれのテレパシーバージョンらしい。
万象管理概念AIっていうのは、世界の狭間で世界のメンテナンスをする存在らしい。
なんか世界を創ったりする神様っぽい高次元情報連続体とかいうのが創ったらしくてさ。
まあ、神様って言っても人間を特別扱いするなんてことはなくて。
俺達人間のことなんて世界を構成する部品としか考えてないようだけど。
それで、そんな神様っぽい存在でも世界の狭間みたいな不思議空間を移動したり、世界の中に入って適応するのは、なんか大変らしい。 よくわかんないけどさ。
つまり、ここは世界の狭間で、俺は迷子ってわけらしい。
どうすりゃいいんだよ!?
あとがき02
†† ってわけでこれからどーなるの俺!? なんてカンジでさ。 運命の悪戯に翻弄されまくるのもタイヘンだぜ。 タイヘンっていえば、みんなタイヘンなんだろうけど。 俺の場合は──
………………
†† あれ? おーい。
………………
†† あー、ゴメンナサイ。
解ればいい。 時間がないのに付き合ってやってるんだ。さっさと続けろ。
†† まあ、そういうわけで大変だったんだよね。 って言ってもこれからがもっと──
いいか俊介、世の中には三種類の人間がいる。 反省をする人間としない人間。 そして反省とは何かを知らない人間だ。
†† えっ!? 俺反省したよね!?
反省とは自分の行動を省みるってことだ。 感情を排して論理的客観性をもてなければ猿と同じだぞ。 ポーズだけだ。
†† えっ!? だから、俺の話を聞いてくれ~!!