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迎撃の光

「ここから先には進ませません。痛い目にあいたくないなら止まって下さい」

城門から出てそう宣言すると大きなブタさんが急ブレーキをかけて止まりました。

「その白い髪にヤマトの民族衣装…。貴様『落涙』とかいう勇者だな!」

え、知ってたんですか?!やっぱりそこらへんの情報は流れてるんですね。

「はい。そう言うあなたはオークキングですね?」

私がそう言ったのはただの勘です。何となく後ろで落とし穴に落ちているブタさんたちとは感じが違いますから。

「ブヒャヒャ、いかにも!勇者にまで知れ渡っているとはわしも有名になったものだな」

いや、敵の大将のことくらい知ってて当然だと思うんですが…。あえて言うことでもないのでスルーしますけど。


「指揮官なら今すぐ兵を引いて下さい。このままではオークに大勢の犠牲が出てしまいますよ?」

「フン。あんなやつらどうなろうと知ったことか。そんな物目の前の手柄に比べれば些末なことよ!」

オークキングさんは鼻で笑いながら答えました。

「手柄のためなら部下の命が危険に晒されてもいいって言うんですか?!あなたは下を何だと思ってるんです!」 

「フン。あやつらなどただの踏み台よ!部下などわしの出世のために働き、わしを守るために死ぬ足掛かりに過ぎん!だから死ぬことでわしの地位が落ちることがない限り気にかける価値もないわ!」

…何だか根本的に何かが噛み合ってない気がします。オークキングさんの考えが理解できないのはもちろんですが、何だかそれ以前に何かが食い違ってるような気が…。

「ええい!これ以上話していても埒があかぬわ!貴様などわしに黙って踏み潰されるがよい!」

…どうやら戦うしかないみたいですね。ここを通してしまうと城の人々が危険です。人々の命を守るため、皆の希望を絶やさないためにもここで逃げるわけにはいきません。

「わかりました。…相手になりましょう」

私はいきなり殴りかかってきたオークキングさんの攻撃をかわしました。


「ば、バカな!完璧に虚をついたはずだ!なぜ避けられる!」

オークキングさんはうろたえた様子で叫びました。

「…さあ?自分でもよくわかりません」

このように気付いた時には体が反応しているのはよくあることです。よく無心になれという剣術や武術などを聞きますが、白峰流は剣と心を切り離すように教わります。剣は心の外より振るわれるべき物なり。これが白峰流の理念です。

「訳のわからないことを!大人しく当たれ!」

またオークキングさんが棍棒を降り下ろしてきました。私はその隙にオークキングさんの懐に飛び込み、腹に峰打ちを食らわせました。

「グフッ!よ、よくもやってくれたな!」

…あまり効いてませんね。どうやら脂肪が多く衝撃が吸収されてしまったみたいです。魔物のに会ったのは初めてなので加減もよくわかりませんでしたし。

「ええい。次こそは貴様を肉塊に変えてやるわ!」

オークキングさんはイライラした様子で叫びました。

「…死体の判別ができないと手柄を証明する手段がありませんよ?」


「黙れ!これ以上減らず口を叩けないようにしてやる!」

オークキングさんはそう言って棍棒を振り上げました。

「…あなたには少し紅雪の渇きを潤す糧になってもらいます」

…あれ、刀って喉が渇いたりするんでしょうか?あ、でも紅雪は普通の刀ではないからあり得るかもしれませんね。

「バカめ!そういう時は剣の錆になれと言うんだ!」

そう言って振り上げた所を避けて、棍棒を振り上げるのに合わせて棍棒を根元から切り、そのまま右の二の腕から肩にかけて深く切りつけました。

「ぐわあ!」

私は左手で腕を抑えるオークキングさんに近づいて紅雪を突き付けました。


「ま、待て!も、もうこの国には手を出さないから見逃してくれ!」

オークキングさんは震えながら命乞いしてきました。

「あなたは今までそう言う人たちの命乞いを受け入れたことが一度でもあるんですか?」

私の言葉にオークキングさんは体を震わせました。

「た、頼む!殺さないでくれえ…」

オークキングさんは壊れたように呟いています。少し脅し過ぎたみたいですね。

「…いいでしょう。ですが次に私たちに手を出して来たら容赦はしません」

ま、次があればですけど。私は紅雪を鞘に納めて背を向け、足に力を込めました。

戦闘シーンが微妙ですみません。何か感想があれば遠慮なく書いて下さい。

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