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進撃のブタ

「皆やるべきことはわかっているな?」

突撃槍を持った男が周りを見ながら言った。

「難しいことはよくわからねえが要はオークを蹴散らせばいいんだろ?」

巨大なハンマーを持った男はそう言ってニヤリと笑った。

「ヒャッハー。すぐカタをつけてやろうぜ!」 

緑色のローブを着た魔法使いがテンション高く答えた。

「ああ。ぼくらの力をやつらに見せつけてやろう!」

赤と青の全身タイツの男が腕につけた装置を動かしながら答えた。

「では作戦開始だ。行くぞ!」

「「おおおお!」」

彼らが率いる部隊の隊員たちはそう答えて走り出した。


ーー


「ブヒャヒャ。城が見えて来たな。このままやつらを城ごと踏み潰してくれるわ!」

無駄に貫禄があるオークが後ろの方から大声を上げて宣言した。

「今あのオークが人間の言葉を喋ったように聞こえたのは翻訳魔法のせいかしら?」

あたしは隣にいるイドルに聞いてみた。

「いや、あのオークは実際人間の言葉を喋ったぞ。おそらくあれがオークキングなんだろう」

ふーん。上位個体だから人間の言葉を話せるってわけね。翻訳魔法とはいっても魔物の言葉まで理解できるわけ

「落ち着いて下さい。やつらも何か仕掛けてるかもしれないでしょう」

…どうやらあったようね。

「今オークの言葉を理解できたのは翻訳魔法のせいね」

あたしがそういうとイドルはピクリと反応した。

「今までの勇者の記録には並の魔物の言葉を理解できるようになったという記述はないんだが…。おそらく対勇者召喚陣にそんな術式が組み込まれていたんだろう。魔王軍で魔物と意思疎通ができないと話にならないからな」

…なるほど。勇者召喚陣にもそういう違いがあるってわけね。


「オークが間もなく射程に入ります。弓兵隊、魔法隊は構えて下さい!」

もう来たのね。あんなに太ってるくせにず いぶん速いじゃない。

「…ずいぶん数が多いな。しかたない。魔法隊はオークの足が止まったら一斉に適当な魔法を出せ。後はおれが片付けさせてやる」

…珍しいわね、イドルが率先して手助けを申し出るなんて。徹夜明けでテンションがおかしくなってるのかしら?

「「はっ!」」

魔法隊は全員力強く答えた。


「しかしオークの足が止まるもんですかねえ?おれたちの弓だけじゃ限度がありますぜ?」

弓兵隊長があごに手をあてながら言った。

「特に何もしなくても大丈夫よ。どうせ貴族派が仕掛けた罠に落ちるんだから」

「へ?オークは貴族派と繋がってるんじゃなかったんですかい?罠の場所なんか当然知ってるでしょう?」

弓兵隊長が言うことは普通なら正しいわね。まあ

「う、うわあああ!なぜこんな所に落とし穴が?!」

「こ、こんな罠もらった地図にはなかったぞ!」

相手が正しい情報を掴んでいればの話だけど、ね。

「な、なんか罠を回避する様子がないですね。むしろ罠がある方に突っ込んでねえですか?」

弓兵隊長は驚愕で目を見開きながら言った。

「どうせ偽の情報を掴まされてたんでしょ。話を聞く限りだと罠がある場所を安全な進軍ルートだって記した地図を渡されてたって所ね」  

「な、なるほど。…しかし魔王軍との情報のやり取りに介入できるってることは、貴族派内でもかなり上位にいるってことなんですかねえ?」 

なかなか鋭いわね。ま、まだ核心には至ってないみたいだけど。


「そんなことより魔法隊は何をボサッとしてるのよ。さっさと何か魔法を使いなさい」

あたしの言葉に魔法隊は一斉に魔法陣を書き出した。

「食らえブタ共!」

「城に来たことを後悔しろ!」

そう言って魔法隊が魔力を放出するとものすごい威力の魔法が一斉にオークを襲った。

「…は?え、何だこの威力?!」

「お、おれ初級しか使ってないぞ。何でこんなことになるんだよ…」

魔法隊は自分で出した魔法に驚いてるみたいね。原因はわかりきってるけど。

「ちょっとやり過ぎなんじゃない?」

「するにはこうした方がいいだろう。それに魔力のロスも抑えられるしな 」

それにしても一部隊全員の魔法を上級まで引き上げるってすごすぎるわね。敵の魔法を一方的に封じた上に自分たちだけ強力な魔法を使い放題とか反則もいい所ね。


「こ、これならオークキングも城にたどり着く前に倒せるんじゃ…」

しかしオークキングは味方のオークを持ち上げて味方を守る盾にして、魔法が途切れるのをみはからって穴に落ちたオークたちを踏みつけながらこっちにものすごい勢い走ってきた。

「だ、ダメです。狙いがつけられません!」

「このままでは城内に被害が及ぶかもしれません!」

弓兵隊も魔法隊も混乱しているうちにもオークキングは近づいて来る。そんな時城門が開く音があたしたちの下から響いてきた。

待たせてしまってすみません。気になる所があればどんどん指摘してください。

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