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動き出したブタ

「お、お待ち下さい。この城から動くなと獣王様のご命令が…」

部下のオークキングが慌てたように言った。

「フン。あんな若造の命令など放っておけ!貴様たちは一体誰の部下だ!」

オークキングは鼻息を荒くしながら言った。オークが獣王の部下でもあるという当然のことすらわかってないようだ。


「だ、だとしても砦を手薄にしては攻め落とされる可能性があります」

別のオークがもっともなことを指摘した。

「ブヒャヒャ。バカめが!やつらが攻めてくるわけがないだろう」

オークキングは自信を持って言い切った。

「な、何でそんなことが言えるんですか?」

「フン。護衛の兵についての情報を見ればすぐにわかる」

オークキングは一枚の紙をオークたちに向かって投げた。

「これは護衛の内訳の報告書ですね」

「…明らかに城とか砦を攻めるのに特化した構成ですね」

オークたちは紙を見て感想を述べた。

「そうだろう。こんなやつら抜きで砦を攻めるわけがない!」

オークキングが言っていることは間違っていない。報告書に書かれた転移魔法陣を通った兵たちの二つ名は誰がどう見ても砦攻めに向いているようにしか見えない。彼らを護衛に回しておいて砦を攻めるという選択肢がないのは明白だろう。

「でも隊長自ら出るのは…」

「黙れ!人間ごときわし抜きで十分だ。守れないとほざく無能がいればこの場で叩き潰してやるわ!」

オークキングは棍棒を振り回しながら言った。

「わ、わかりました。ご武運をお祈りしています」

そう答えるオークの声を背に、オークキングは大勢のオークを連れて砦を出て行った。


--


「ふーん。やっと重い腰を上げたみたいだね」

蒼い狼のような耳と尻尾をしている少女が右耳の耳飾りに手をやりながら呟いた。

「あんたたちもう行っていいよ。どうせ手遅れだしね」

蒼い狼少女がそういうと下に魔法陣が出現した。

「な、待ちやがれ!」

兵士がそう叫ぶのを尻目に狼少女の姿は消えていった。

「クソ。どこまでもなめやがって!」

「落ち着け。まずはこのことを報告しなければ」

もう1人の兵士が落ち着いた口調で言った。

「だからどうやって、報告すればいいってんだよ!」

兵士は凍りついた足を見ながら言った。

「行っていいって言うならこの氷を何とかしろー!」 

プライドの欠片もない兵士の叫びは空しく響き渡った。

あまり話が進んでなくてすいません。

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