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初戦の後

「今日はよくやった。だが油断はするな!明日からも気を引き締めて防衛にあたれ。我らの肩に民の命がかかってることを忘れるな!」

大総統さんは声を張り上げて言いました。

「「おおー!」」

兵さんたちは大きな声で答えました。

「では解散!」

大総統さんがそう言うと兵さんたちはそれぞれの隊の所に向かいました。


「はあ。さすがにちょっと疲れたわ。まさか敵の負傷兵の回収までやらされるとは思わなかったわよ」

沙夜ちゃんは疲れたように言いました。

「そうですわね。あの人数はさすがにきつかったですわ」

チェリルちゃんはグッタリしながら言いました。

「二人ともお疲れ様です。沙夜ちゃん、マッサージした方がいいですか?」

「ええ。お願いするわ」

沙夜ちゃんはダルそうに言いました。

「お気持ちはありがたいのですがみんなが待ってるので帰らないといけませんの。気持ちだけいただいておきますわね。では失礼しますわ」

チェリルちゃんはお辞儀をして去っていきました。

「残念ですね。では私の部屋に行きましょうか」

「ええ」

沙夜ちゃんは疲れた様子で私の後についてきました。


「はあ。やっぱり指揮官なんかやるもんじゃないわね。少し指示を出して矢を射ただけで疲れちゃったわよ」

沙夜ちゃんはうつ伏せになってダルそうに言いました。

「本当にお疲れ様です。私だけ何もしてないのが申し訳ないくなってきます」

「まだあんたが無理する必要はないわ。むしろ今動いて他国にサミュノエルの思惑で動いてると警戒されても困るわ。動くにしても魔王軍が動いてからでいいわよ」

沙夜ちゃんは軽い口調で言いました。

「でもやっぱり心配で…」

「心配することないわよ。この人数差で城攻めなんか成功するわけないわ。それ以前に勝手に自滅しにきてくれる敵相手にどうやって負けろっていうのよ。どうやってあそこまで負けるように兵を動かせるのか正直感心するわ」

…今のって皮肉、ですよね?なぜか沙夜ちゃん本気で言ってるように聞こえるんですけど気のせいなんですよね?


「それよりも心配なのは護衛の皆さんです。本当に任せてしまってよかったんでしょうか?」

「問題ないんじゃない?時間稼ぎのために少しずつ出してるだろうし、二つ名持ちも相当数いるらしいし。何よりろくに戦闘経験もない貴族の私兵が歴戦の猛者相手に何もできやしないわよ」

沙夜ちゃんはきっぱりとした口調で言っても私の不安は消えませんでした。

「気持ちはわかるけど今あの人たちは守るべき弱者じゃなくて同じ志を持った仲間よ。仲間のことくらい信じてあげてもいいんじゃない?」

…そうですね。彼らも覚悟を持って戦いに臨んでるんですよね。余計な心配をする前に彼らの思いに報いることを考えないといけませんね。


「そういえば護衛にはイドルさんの召喚獣さんたちもいるんですよね。召喚獣って一体どういうのなんでしょう?」

「さあね。でも魔筆と視界を共有してるから魔法陣に干渉できるらしいわ。貴族の私兵くらいならそれだけでも十分でしょ」

沙夜ちゃんはダルそうな声で言いました。

「魔筆の共有、ですか。じゃあ貴族派が味方を魔法で攻撃したのもイドルさんが干渉したからなんですか?」

「どうだか。ま、あれが演技なら賞がとれるレベルなのは確かでしょうね。あいつが今どんな言い訳してるのか楽しみだわ」

そう言う沙夜ちゃんの声は心底楽しそうでした。


ーー


「一体どういうつもりだネルキソス!なぜ味方を攻撃した!」

貴族派派閥長はネルキソスを大声で怒鳴った。

「おそらく『構陣師』の仕業でしょうね。部下たちから魔法が乗っ取られたという報告がありましたし、私など全く別の魔法を撃たされました。おそらく勇者との戦いで使われたのと同じ力だと思われます」

ネルキソスはうさんくさい笑みを浮かべながら言った。

「味方を攻撃させるなんて卑劣なやつだ!このぼくが葬ってやる!」

金田は聖剣を抜き放ちながら答えた。

「いえ、勇者様が出るのはなりません!こちらの被害が大きくなってしまいますぞ!」

貴族派の幹部らしき男が怯えながら答えた。

「だが「聞き入れて下さい勇者様。勇者様が味方に絶望を与えてどうするんですか」

ネルキソスはうさんくさい笑みを浮かべながら言い放った。

「ご心配めされるな勇者様。あのような者たち勇者様の手をわずらわせるまでもありません。我らだけで十分です。そうだなネルキソス」

貴族派派閥長は早口でまくし立てた。

「は、必ずや勇者様の出る幕を作らずに勝負を決めてみせます」

ネルキソスはひざまずきながら言った。

「それでは解散!」

貴族派派閥長がそう言うと貴族派の貴族たちはうつむきながらそれぞれの兵の所に歩いて行った。


「クソ。なんだこの扱いは!これじゃまるでぼくが足を引っ張ってるみたいじゃないか!」

金田はとっくの昔に明らかなことをわめいた。

「勇者様の力は強大ですからね。利用されるのを恐れるのはしかたのないことでしょう」

ネルキソスはうさんくさい笑みを浮かべて答えた。

「だけどこれじゃぼくをバカにしたやつらに何もできないじゃないか!」

金田は見苦しく騒いでいる。なぜそんな扱いを受けてるのかまるでわかってないようだ。

「いえ、彼らを見返す方法はまだあります」

「そんな方法があるのか?!だったらもったいぶらずに話せ!」

金田はどこまでも偉そうに言った。

「それはですね…」

ネルキソスはうさんくさい笑みを浮かべながら金田にあることをささやいた。

遅くなってしまってすみません。何かあれば感想をお願いします。

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