表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/55

迎撃準備

「課長。作戦に必要な転移マーカーの配布が終わりました」

おれが作業を終えて戻るとルーシーが報告してきた。

「ご苦労。こっちも先程片付いた所だ」

「お疲れ様です。これで私たちの仕事は一段落しましたね」

ルーシーはそう言って疲れたように笑った。

「ああ。後は軍がうまくやってくれるだろうさ」

おれはルーシーにそう返してイスにもたれかかった。


「それにしてもここまで都合よく物事が進んでますよね。順調過ぎて逆に怖くなってきます」

ルーシーは苦笑いを浮かべながら軽口を叩いた。

「心配しなくても大丈夫だ。あいつが敵にいる時点で負けるはずがない」

おれはルーシーの目を見て自信を持って言い切った。

「…課長がそう言うなら信じますよ」

ルーシーは期待と不安が混ざった表情を浮かべながら言った。


「問題は魔王軍がちゃんと動いてくるかだな。砦に陣取ってるのはオークキングだったか?」

「ええ。アムネシアを侵攻している獣王の幹部ので、強欲で残虐だとかいう話を聞いたことがあります」

ルーシーはそう言ってメガネを直した。

「らしいな。ついでに言うと出世欲も強いそうだ。オークキングだけなら間違いなく攻めてくるだろうが…」

「対勇者がどう出るかですね。オークキングに何か入れ知恵しないとも限りませんし」

ルーシーは少し不安そうな声で言った。

「確かに対勇者に報告が行けばどうなるかわからないな。とりあえず功を焦って独断で襲撃してくるのを祈るか」

おれが軽口を言うとルーシーは苦笑を浮かべた。

「さすがにそこまでバカじゃないでしょう」


――


「先程貴族派がクーデターを起こすという密書をよこしてきた。わしらもその機に乗じて王都を攻めるぞ!」

灰色の封筒に入っていた手紙を見たオークキングは鼻息荒く宣言した。

「で、ですが隊長。獣王様や対勇者に報告した方が…」

「あのような青二才や新入りの人間風情に報告することなどない!手柄を横取りされてはたまったものではないわ!」

部下のオークの進言をオークキングは一蹴した。

「しかし」

「くどい!これ以上逆らうなら死刑にするぞ!」

オークキングが凄むとオークは黙り込んだ。

「ブヒャヒャヒャ。待っておれ人間ども。わしの出世の糧になるがよい!」

オークキングは腹を揺らしながらいつまでも高笑いを上げていた。

次はクーデターに入る予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ