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クーデター準備

「報告します。賭けの配当金が全ての王都の愚民に行き渡ったようです」

貴族の密偵は貴族派派閥長に淡々とした口調で告げた。

「ご苦労様です。引き続き監視をして何かあったら報告して下さい」

「はっ!」

ネルキソスの言葉を聞いた密偵は部屋から出ていった。


「勇者が勝っていればあの金は愚民などに渡らなかったものを…。役立たずのエセ勇者めが!」

貴族派派閥長はそう叫んで机を叩いた。

「申し訳ありません。学校で習ったことをきちんと教えて対策はさせたのですが…。少々勇者を買い被り過ぎてました」

ネルキソスはそう言って深々と頭を下げた。

「全くだ。これでは短期決戦で勝負をつけるしかないではないか!」

貴族派派閥長がそう言ってネルキソスはをにらみつけた。

「いえ、そうとも言えませんよ」

ネルキソスは口元をに手を当てながら言った。

「何?!どういうことだ?!」

貴族派派閥長はわけがわからないという顔をした。

「王都の民衆には配当金を配り終えましたが、まだ各地に配る分が残ってます。貴族派が治める土地に配られる分だけでも奪えれば資金面は改善できるでしょう」

ネルキソスはうさんくさい笑顔を浮かべながら答えた。


「なるほど…。だがそううまく行くものなのか?」

貴族派閥長は珍しくまともなことを聞いた。

「確かに難しいでしょうね。向こうもこちらの襲撃を確実に読んでくるでしょう。ですがそれでもやりようはあります」

「ほう?申してみよ」

貴族派派閥長は身を乗り出しながら言った。

「相手は配当金を護衛するために戦力を割かざるを得ません。配当金を奪われたら確実に国民の反感を買いますからね。そうして戦力を分散させておいて、国境付近の魔王軍と協力して王都を叩くのです。そうすれば数が少なくても勝てるでしょう」

ネルキソスはうさんくさい笑みを浮かべながら言った。

「なかなかの名案ではないか。すぐに実行するのだ!」

貴族派派閥長は勢いよくネルキソスに命令した。

「では確実に護衛がつくように予告状を出しますね」

「うむ。頼んだぞ」

貴族派派閥長は上機嫌で部屋を出て行った。


「本当におめでたい人ですね。我々がまとめて葬るつもりだとも知らないで」

貴族派派閥長が出て行ってすぐ黒衣の男が天井裏から下りてきた。

「おかげでとてもやりやすいですよ。彼には最期まで踊っていてもらいましょう」

ネルキソスはうさんくさい笑顔を深めながら言った。

「ふふっ。相変わらず恐ろしい人ですね。これからも陛下のために力を尽くして下さい」

「もちろん。これからも陛下のために力を尽くすつもりです」

ネルキソスはうさんくさい微笑みを黒衣の男に向けた。

「頼みましたよ。では失礼します」

黒衣の男は物音を立てずに天井裏に消えて行った。




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