FILE1:少年
僕の名前は
『藤本慶太』
都立M高校に通う2年生。
どこにでもいそうな奴だ。
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ピピピピッピピピピッ…
僕は目覚まし時計を止めた…。
寝癖がついて変な髪型になっている。
僕は怠い体を頑張って動かし、目をこすりながら階段を降りて行く。
『おはよー…母さん、朝飯は?』
「そこら辺にパンあるでしょー?」
『は?朝からあんぱん食えと?』
「じゃぁ自分で作れば?」
僕はしかたなくあんぱんを食べた。
シャワーを浴び、制服に着替え、僕はTVを見ている。
TV『昨夜未明、○○町の××ビルで少女が死体で発見されました。警視庁の…』
『……学校行くか…』
僕は自転車に乗り、学校に向かった。
学校に到着した。
『おはよー』
「おう!」
こいつは中学の頃から遊んでいる友達。名前は『大吉』。
周りからは『大ちゃん』と呼ばれているが、僕は『大吉』と呼んでいる。
「お前さぁ、大丈夫なん?」
『んあ?何が?』
「昨日めぐと別れそうっつってたじゃん」
めぐとは、僕の彼女だ。
『あぁ…その話ね…っつかお前の恋の行方はどうなったんだよ』
「えっ?いや…」
『フられた?』
「まだ告ってない」
『………』
キーンコーンカーンコーン
ナイスタイミングでチャイムが鳴った
「あっ、お前結局めぐとどーなったんだよ!」
『先生きたぞ』
僕は話をはぐらかすのが巧い。
「後で教えろよ」
『………』
授業中、大吉の熱い視線が僕の視界に入ってくる。
『なんでそんなに気になんだよ…こいつめぐの事好きなのか?聞いて何になるっつーんだ?得する事でもあんのか?』
僕は様々な事を考えていた。
一時間目の授業が終わり、大吉が僕の方に歩いてきた。
「教えろよ」
『ちょっとさぁ待ってくんね?頭痛が…』
「一緒に保健室行ってやるよ」
『いや、大丈夫。』
「教えろよ」
『しつけーよ!』
僕は席から離れ、全力疾走で逃げた。
「おい!」
僕は大吉から逃げながら大吉対策を考えてした。
「人の話聞けよ!」
ここで止まったら話と共に右ストレートパンチが飛んでくるに違いない。
僕は大吉の隙をつき、カバンを手に取り逃走した。
「帰んの!?」
『うん』
僕は全力で学校の玄関に向かった。
靴と上履きを履き変えるのが今までで一番早かった。
『じゃぁな』
僕は全ての力を出し切り、自転車をこいだ。




