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苦手意識

「太陽!」

「光!…………と、その方は…」

光の隣で詐欺師のようににっこりと微笑むこの男は…?金髪は金髪でも光とは種類が違う。光のはブロンド?というか自然な色で、太陽の光に当たってキラキラ輝いて綺麗。あの男のは染めてるってわかりやすくて、根本がちょっと黒い。

光よりも少し背の高い男が俺の方に近づいてくる。

「林田だよね?」

そう言いながら目の前で立ち止まり、俺のほっぺたを片手でむにむにと触ってくる。なんだこの男は。初対面だけどもう既に苦手意識が芽生える。

「……やっぱり林田じゃん!俺、同じクラスなんだけどなぁ…」

目があう。じっと見ていると瞳が小刻みに揺れているのが分かる。黒曜石に似た瞳を細める。何を考えているのかが全く読めない。

黙って見ていた光が近づいてきて、俺の腕を引いて半ば強引に男を離す。離す、というより剥がすという表現の方が正しいが。光の方を見ると、鋭い目つきで男を睨んでいた。初めて見る表情と手の冷たさが、何故か印象に残っている。

「いったいなぁもう…」

俺から剥がされた男が少しも痛くなさそうな声で言う。

「光、この人は?」

「太陽には一ミリも関係ない人間だから知らなくていいよ」

「俺は石田悠斗」

光の冷たさをものともせず話しかけてくる男は、ぐいぐいと俺に近づいてくる。光が俺の前に立ち、守るようにガードする。まるで幼い子供が自分のお気に入りのおもちゃを盗られないよう、隠すみたいに。

「ねぇ道野、俺、林田と話したいんだけど」

「嫌。近づいてくるな」

「なんで道野が決めんの、林田だって俺と話したいよね?」

「………別にそんな欲はないけど」

光が石田から俺を話そうとしている理由は分からないけど、正直ありがたい。同じ学校の人とは極力外で出会いたくないし、得意なタイプではないことが見て分かるから。……でも、流石に申し訳なくなってきた。男子高校生が道端で話すのも人目が痛い。

「近くに公園あるから、そこで話そうか」

にっこりと満面の笑みをする石田と対比するように酷く嫌そうな顔をする光の顔を横目で見る。もしかしたら光は、俺と話すのをものすごく楽しみにしてくれていたのかもしれない。だから石田と近づかせないようにしていたのか、と頭の中でパズルのピースがはまる。

俺の腕を掴んだままの光の右手を左手で取る。そして、光の耳元で言う。

「後で二人でアイス食べない?」

光が目を見開いて何回かぱちくりとまばたきした後、にこりと微笑み、俺の手を握り返しながらたのしみにしてる、と言った。


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